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棄却理由は「請求人(風間)が、捜査段階において、関根がいつも客に犬等を売ったその日のうちに売上代金を渡してくれていたことを明確に認めていた点については、本件調書上、これと矛盾する記載は存在しない」などと、新証拠とまったく噛み合っていない内容になっている。
再審の棄却理由など読む者はいないだろうと、国民は愚弄されているのではないか?
法務省が死刑執行のリストをつくるとき、よほどのことがない限りは再審請求している者は外す。風間のように強力な新証拠を提出していれば、なおさらである。そして、共犯者は同日に執行するのが慣例である。風間が死刑執行のリストに載らないなら、関根もまた載らない。関根自身が風間の再審請求に自分の命を託していた、と筆者は伝え聞いている。殺害を言い出したのは風間のほうだ、などと供述していたのは関根であるのだが。
死刑執行は薬の注射でやってほしい、と死刑囚へのアンケートに答えていた関根だが、75歳での病死なら本望であったろう。誤った判決は、罪のない者に罰を科すだけでなく、凶悪犯の希望を叶えてやることにもなるのである。
(文=深笛義也/ライター)
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