ヒューミント
一方、朝鮮戦争以降、韓国に駐留している米陸軍の第8軍の情報誌「ROK Steady」によると、第501情報旅団傘下にヒューミントを担当する第524情報大隊を10月に新設する。ヒューミントとは、スパイや内部協力者などの人物を通じて得る相手側の情報を意味する。
これまで在韓米軍はシギント(SIGINT:通信情報把握)とテキント(TECHINT:偵察衛星や偵察機、コンピューター・ハッキングなど先端技術で情報習得)を通じて対北朝鮮情報を進めてきたが、機械を通じての情報では生の動きに対応できないため、第524情報大隊が独自に対北朝鮮ヒューミントを獲得し、脱北者・北旅行者を通じて、または北内部の情報部員を活用して生の北朝鮮情報を収集するとみられる。
韓国紙「中央日報」(電子版)は、情報当局関係者の話として「科学技術がいくら発達しても人の心を読んで行動を予測する機械は当分出てこない」として「情報の世界ではヒューミントが最も重要だ」と伝えている。
これについては、 CIAやDIAを含む米国内の17情報機関を統括するダン・コーツ国家情報長官も「北核・ミサイル能力の高度化と金正恩の攻撃的なアプローチ法が一つになり、米国の国家安保に対する重大な脅威になっている」と明らかにしており、今後、米国の情報機関すべてが連携して対北情報工作を推進していくことになる。
レッドライン
また、ポンぺオ長官は「中国が今まで見えなかった努力、すなわち外交的圧迫だけでなく貿易中断のような努力をしている」などと述べて、対北圧力に関連して中国の協力を高く評価しており、今後、中国が独自に保持している北朝鮮の軍事情報や人的情報なども、米国と共有することも考えられる。
なぜならば、北朝鮮は5月3日の国営朝鮮中央通信、4日の党機関紙「労働新聞」に相次いで掲載した論評で「中国」という単語を24回も使い、ついに越えてはいけない一線を越え、初めて中国を名指しで批判したからだ。
これに対して、中国共産党機関紙「人民日報」傘下の国際問題専門紙「環球時報」は3日、『中朝友好相互援助条約は当然維持しなければならないのか』と題する社説を掲載し、「北朝鮮の行為は条約違反に該当する」と指摘して、4年後の21年の改定期に条約を破棄する可能性を強く示唆。