サムスンの中国での悩みはコピー商品の流通
――韓国は中国からの観光客が減少し、さらに配備用地を提供したロッテが狙い撃ちにされています。韓国人の生活には、どのような影響がありますか。
Aさん 私たちの生活には、なんの影響もありません。確かに韓中貿易や中国人向けのビジネスをしている人には打撃があるのかもしれません。また、ロッテは中国国内の数十店舗が営業停止に追い込まれるなど、強いリベンジを受けています。
日本人からすると、「ロッテは韓国の会社」というイメージがあるかもしれませんが、韓国人からすると「ロッテは日本の会社」というイメージです。そのため、ロッテが困っても我々が直接的に困ることはあまりありません。
――ロッテ以外の財閥系企業に影響はありますか?
Aさん 特にありません。サムスン電子の中国での悩みは、コピー商品が多いことです。サムスンの一番の悩みは、中国よりも李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が逮捕されたこと。トップ不在のなかで、どうやって経営判断を行っていくかに尽きます。
――あなたの世代の中国人のイメージは、どういったものでしょうか。
Aさん 1990~2000年代初頭の中国人のイメージですが、社会主義の国なので「ごはんをちゃんと食べているのか」「出稼ぎの人が多いだろう」というものです。そのため、中国人が何か発言しても無視することが多かったのですが、最近は“爆買い”でだいぶイメージが変わりました。私たちの上の世代は、もっとひどいイメージを持っているかもしれません。現在の中国について、私は特に悪いイメージは持っていません。
ちなみに日本については、私は政治家の発言については問題があると考えています。しかし、下の世代は「日本が嫌い」などという感情はあまり持っていないのではないでしょうか。
――韓国と中国の関係が、これ以上悪化する可能性はあると思いますか?
Aさん 中国は日本と違って政治家の発言には韓国に対する配慮があるため、特にこちらが腹を立てる内容のものはありません。そのため、より悪化するというシナリオは考えにくいです。