「韓国人の嫌いな国」日本が再び2位に?
――韓国は、中国とはTHAAD、日本とは従軍慰安婦の問題を抱えています。文大統領としては、いつまでに解決を図りたいと考えていると思いますか。
Aさん 来年の今頃には、日本の統一地方選挙にあたる韓国全国同時地方選挙があります。それまでに韓国人が納得できるような解決を図りたいという意向があるでしょう。THAAD問題を解決することができれば、対中関係で大きな問題はなくなります。政治家が次の選挙までに見せ場をつくるというのは、どこの国の政界も同じです。
問題は、日韓関係でしょう。韓国から見ると、日本の政治家の発言は韓国人に対する配慮が欠けていることがあります。日本の政治家は、票のために歴史を政治利用していると思います。特に、自分の立場が悪くなると韓国や中国に対して厳しい発言をして脅威を煽りますが、それが日韓関係を悪くしている原因のひとつです。
特に慰安婦問題は、日本としては「不可逆的な解決」という理解でも、韓国から見れば「これから」の問題です。日本の政治家が不用意な発言を繰り返せば、また日本が「韓国人の嫌いな国ランキング」で2位になることも十分に考えられます。
今、日本ではさまざまな問題もあり、与党の政治家の立場は微妙です。日本の政界は、不安定な面が見えます。一方、文大統領は日本では考えられないほど支持率が高い。韓国の世論も「当面は文大統領のことを応援しよう」という雰囲気で、韓国政治はきわめて安定しています。
今、文大統領が一番恐れているのは国民の声です。いわば国民の声から生まれた大統領ですから、その国民の声にどう応えるか、期待半分と心配半分の感覚で見ています。
――ありがとうございました。
筆者の中国人の友人に中国ロッテの事務員がいるため、話を聞くと、以下のような答えが返ってきた。
「今は仕事らしい仕事がほとんどなく、6月1日に給料の15%カット、そして有給休暇取得の促進が発表された。有休の日数は特に決まっていないが、相当日数休んでいいとのこと。うちの会社は潰れるか、閉店するのかな……」
彼は、現状をかなり不安視しているようで、逆に筆者に中韓情勢について質問したほどだ。いずれにせよ、韓国をはじめとする東アジア情勢から目が離せそうにない。
(構成=長井雄一朗/ライター)