「相変わらずの風頼みから、脱却できていません。党の人気がないと蓮舫さんを代える、野田幹事長を交代させる、という時点で、有権者があきれて当然でしょう。看板を代えれば支持率が復活すると本気で考えているのなら、あまりにも能天気といわざるを得ません」(同)
有権者の「民進党アレルギー」は、旧民主党政権の体たらくが骨身に染みているからだ。ならば、民進党の解党的出直しはひとつしかない、と伊藤氏は指摘する。
「旧民主党政権に関与した政治家は、少なくとも表舞台から退場していただく。蓮舫さんや野田さんは言うに及ばず、細野豪志さんや前原誠司さんだって同じです。本当に人心一新をするには、思い切って若手を抜擢する。そして、若い新執行部が10年間、有権者に頭を下げ続けて、ようやく信頼できる野党としてのスタートラインに立てるのではないでしょうか」(同)
先の毎日新聞の世論調査を例にすれば、「新しい政党や政治団体から首相に対抗できる人が出てきてほしい」(23%)という層と親和性が高いと考えられるが、野党再編に期待する有権者も一定数、存在する。
複数のメディアが記事にしているが、東京都議会議員選挙で都民ファーストの会を支援した若狭勝・衆議院議員(東京10区)、長島昭久・衆議院議員(比例東京ブロック・復活当選)、渡辺喜美・参議院議員(比例区)、松沢成文・参議院議員(神奈川県選挙区)の4議員が、新党結成を模索しているという。
「ただ、率直に申し上げて、有権者に衝撃や期待を与えるだけの議員はいないといわざるを得ません。たとえ民進党の一部が割れて、それなりに知名度のある議員が合流したとしても、有権者の印象は変わらないでしょう。政権交代が視野に入るほどの野党再編劇を演出するなら、石破さんを引っ張ってくるぐらいの大技が必要です」(同)
安倍政権を追い詰める「官僚の反乱」
毎日新聞の世論調査では約6割が反対とはいえ、安倍3選の可能性はあるのだろうか。政権中枢にパイプを持つ元官僚は「安倍首相がワンチャンスに賭けるしかないほど追い詰められているのは事実」と看破する。
「支持率より深刻なのは、『官僚の反乱』です。加計学園の問題では、元文部科学省事務次官の前川喜平氏が公然と反旗を翻し、南スーダンPKOの日報問題では、陸上自衛隊内部のリークが稲田朋美防衛相を窮地に追い込みました。
宮仕えをしてきた私でさえ、脱官僚、政治主導の重要性は今も昔も変わっていないと思いますが、官僚側も必死です。この反乱がさらに広がっていけば、安倍政権の終焉は意外に早く訪れるかもしれません」(元官僚)