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政策の各論としては、たとえば憲法改正を挙げてみよう。枝野氏は、その必要性自体について検討を進めるとし、前原氏は「立憲主義に立脚し、冷静かつ現実的に憲法を論議する」としているが、後者の主張は意味不明だ。大まかに前者は憲法改正に慎重、後者は前向きということはわかるものの、改正するにせよしないにせよ、その前提となる日本という国の在り方論にはまったく言及されていない。自民党がまだそこに至っていないところ、それを先んじて示せば、改正の要否にかかわらず議論を先導することができるが、示せないということは民進党にはそもそも国家観が不在であるということなのかもしれない。
その他各論として、法人税の在り方、消費税率引上げ、国防・安全保障といったものも挙げられているが、それらに関する主張の根拠となる理念が曖昧なままでは、場当たり的かつ付け焼き刃なものにしか聞こえてこない。そうした場当たり的な対応、首尾一貫せず主張をフラフラ変えているように見える行動が、民進党への支持を低迷させ信頼を失ってきたというのに、それに気づかず同じことをやっているのであれば、政策に関しどのような主張をしても、本気としては捉えられず、話半分にしか聞いてもらえないだろう。
だから、「何をするか」よりも「誰と組むか」を優先しているのだとしたら、民進党代表選は内輪の盛り上がりの、さしずめ“オママゴト”といったところか。
(文=室伏謙一/政策コンサルタント、室伏政策研究室代表)
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