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北朝鮮の核搭載ミサイル、日本を射程距離範囲内に…日本、深刻な脅威下に突入

構成=長井雄一朗/ライター
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――弾道ミサイルの射程距離の向上など、北朝鮮のミサイル開発は、実際のところどこまで進展しているのでしょうか。

森本 いくつかポイントがあります。まず、弾道ミサイルの射程がどこまで伸びるか、そして次は弾道ミサイル全体構造の問題ですが、再突入技術や推進ロケットエンジンの推力向上がどこまで進んでいるか、弾頭の小型化などがどこまで進んでいるかを分析する必要があります。しかし、より精度を高めるには、狙ったところにピンポイントで落とすことが重要ですが、まだそこまで至っていないのが実情ではないでしょうか。

 すなわち、アメリカのいかなる都市までも射程におさめ、ピンポイントで落下させるほどの精度にまでは至っていないと考えます。ただし、現在のレベルではグアムには届くのではないでしょうか。7月に2回、ミサイル発射実験を行なっていますが、最大射程の伸びを分析しますと、ICBMの開発に成功をしている可能性は大きいと考えます。問題はミサイルの精度ですが、それを計算するデータはまだありません。

北朝鮮の方針

――金正日時代の北朝鮮は、諸外国が話し合いをできました。しかし、金正恩体制はまったく話し合いにも応じようともしません。狙いはどこにあるのでしょうか。

森本 客観的に判断する材料はありませんので、これはあくまで推測です。問題は、政治的と技術的な面の2つの背景があると考えています。

 まず、政治的とは、もしアメリカが軍事的に北朝鮮を攻撃した場合、アメリカのいかなるところにも核攻撃が可能であるということをアメリカに示すことによって、金正恩体制を保証し、大国アメリカを相手に十分な取引ができるステータスを示し、核保有国であることを認定させることです。

 そして次には、この政治的な背景を実現するために、核の技術を革新的に進めることです。北朝鮮の核開発技術は急速に進んでいます。政治的にも技術的にも核開発やミサイル発射実験など、さらなる挑発活動を今後とも続けていくことが北朝鮮の方針であると考えます。

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