聴衆の中には多くの若者の姿が
枝野氏は、安倍政権が行っている政治は民主主義ではないと糾弾したうえで、最後にこう締めくくった。
「国民の政治離れといわれていますが、違うんです。国民が政治離れしたのではなく、政治が国民から離れてしまったんです。その政治が、みなさんと一緒に足並みをそろえて前へ進んでいく、その真っ当な政治を取り戻していきたいと思っています。
国民のみなさん、私たちのために力を貸してください、ではありません。民主主義の当事者として、遠くなってしまった政治を少しでもみなさんで引っ張り戻すために、みなさん一緒に戦いませんか。真っ当な政治を取り戻しましょう、私にはあなたの力が必要です」
この言葉に聴衆からは、この日一番の歓声が上がった。枝野氏の言葉から、国民の実態に寄り添ったうえで、それを解決していこうとする意気込みが強く感じられたのだろう。
演説が終了した時点で、気づいてみれば演説開始当初よりも聴衆の数が増えていた。それはただ遅れてきたというだけでなく、枝野氏と海江田氏の熱弁に、足を止めて聞き入った人が多かったように思える。
また、そのなかでも気になったのが、聴衆に若い人が多かったことだ。若者の投票率が低いことが嘆かれるなか、聴衆に若い人たちが多いというのは、やはり注目度の高さを感じさせる。
演説を聞いていた学生2人組に話を聞いた。
「今回の演説は、たまたま通りかかっただけで、最初は聞く気もなかったんです。でも、枝野さんの演説には非常に考えさせられました。他政党の演説を聞いていないからなんともいえないですけど、枝野さんなら信頼できそうだなって感じはしましたね」(20代男性)
若い人たちのなかには、彼らのようにたまたま通りがかり熱弁に足を止めた者や、枝野氏の話を聞くために、初めて選挙演説に足を運んだという人もいた。今、立憲民主党は、これからの日本を担う若者からの支持も獲得しつつあるのかもしれない。
(文=小林倫太郎/A4studio)