だが、これでは事実関係が詳らかにならず、メディア側として「国民の知る権利」に応えられない。そのため電話にて、再度、取材申し込みを行った。その際の海幕広報室とのやりとりは、次のようなものだ。なお、この海幕広報室で応対に当たったのは、当サイト記事『海上自衛隊、取材者ブラックリスト作成で一部取材対応拒否か…違法の可能性も』で触れた海幕広報室員・A氏である。
–頂いたメールから、そちらでは、まだ把握されていないことはわかりました。なので、本件について、海幕広報室として事実関係を調べていただきたいと申し出ている次第です。
A氏 ですから、本件については把握していないということです。
–いえ、ですから、調査をお願いしている次第です。ご担当者様が把握していないことをどうこう申しているわけではございません。いつ調査し、把握されるおつもりですか? 当方の取材に応えて調査はしていただけない?
A氏 いつ? そんなこと書いてませんよ。ですからね、うちでは把握していないと言っとるんですよ。
–現役自衛官を名乗る方から情報提供を頂いた。それが事実かどうなのかを、そちらにお尋ねしている次第でございます。本件についての詳細について、どうかお調べいただけませんか?
A氏 なんで、そんなことうちがわからないと言って、それ以上、調べなければいけないんですか? え? その根拠は? ああ?
–こちらで独自に調べて記事化、報道しても構いませんが……。しかし、そちらが「調べるつもりはない」と拒否した事実が事件として浮かび上がった場合、この対応も含めて、僭越ながら海上自衛隊、組織として大恥かくことになりますよ。それでよろしければ。
A氏 ああ。それはありがとうございます。
–どうしても、この件について、そちらで事実関係について海上自衛隊として調査していただけない?
A氏 あのね、なんで、うちが調査するとか、しないとか、そういうこと言わなければいけねえんだ? ああ!
このやり取りの最中A氏は、始終大声かつ居丈高な口調を崩さず、時折取材者を小馬鹿にする口調もみられた。また、この応対についてA氏は、「直情径行的、大人気ない対応を行った」と、本件に関する聞き取り調査を行った海幕高官相手に認めている。
さて、その後のやりとりで記者が詰め寄ったせいか、その後すぐ海幕広報室から電子メールにて、調査する旨、回答が寄せられた。結果、護衛艦「みねゆき」艦内で窃盗事案があり、現在、調査中との回答が得られた。加えて、担当のA氏から「極めて軽微な事案」とのコメントも引き出した。しかしこの窃盗事案、隊員が艦内にて30数万円相当を他の隊員から盗んだ容疑で懲戒免職処分となっている。懲戒免職となる事案が、はたして「軽微」といえるのだろうか。
●取材者の質問を「いちゃもん」扱い?
こうした海幕広報室のずさんな対応は、これだけにとどまらない。