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さまざまな「地元志向」
地元志向に対して、東京の大学の状況はどうなっているのだろうか。
「東大を見ると、2000年代は半分以上が地方からの合格者で占められていました。今は6割弱が首都圏の合格者となっています。早慶に関してもその傾向が強くなっており、今では7割以上が関東圏の合格者で占められています。もちろん、しっかりしたビジョンがあって東京に出て行くという気概を持つ受験生もいますが、全体の傾向としては、安全志向、地元志向で、手堅い受験を選択している受験生の割合が増えています」(川崎室長)
地元志向とはいっても、細かく見ていくとさまざまな現象がある。
「全国の大学の約25パーセントが首都圏に集中して設置されています。地元志向が高まっている傾向があるとはいえ、全体の動向は依然として首都圏集中ですね。首都圏の若者が、今よりも地方の大学を目指してくれるのが理想だと思います。しかし、地元志向とはいっても、地域の中心都市に集まることになります。大阪大学だと6割が関西出身者、名古屋大学は7割近くが東海3県の出身者で占められます。九州大学は県外出身者が多いですが、これは九州全体から集まっているからです」(佐藤所長)
「北海道大学は道外出身者が多く、特に農学部や獣医学部あたりはその傾向が顕著です。農学部、獣医学部系では一番敷地面積も広い大学で、大型獣医を扱っている大学がそもそもそれほど多くはないということがあります。マンガのモチーフにもなっているので、憧れて北大を目指す受験生も少なくないでしょう」(川崎室長)
ではこうした動向を踏まえつつ、実際に受験に関する失敗リスクを減らすには、どうしたらいいのかについて、次回も引き続き佐藤所長と川崎室長に話を聞く。
(文=深笛義也/ライター)
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