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このように「都政に専念」と啖呵を切ったものの、現状は散々。都知事再選どころか、東京五輪を自らの手で開催できるのかどうかも怪しい。都知事の任期は20年7月30日まで。通常であれば都知事選は五輪前に実施される。再選されるか、もしくは都知事の任期を特例法で五輪後まで延長されなければ、五輪期間中(7月24日~8月9日、パラリンピックは8月26日~9月6日)に任期が切れてしまう。
公明党頼み
そこで、頼みの綱は公明党。小池氏は2月に突如、平昌パラリンピックの閉会式に出席することを決め、2月23日の定例会見で発表。3月17日から視察に向け出発した。これには裏がある。都政関係者がこう話す。
「公明党東京都本部の女性局が東京パラリンピックをきっかけに、東京をバリアフリー先進都市にしようという方針を打ち出した。世間は五輪で騒いでいるけれど、福祉の公明党はむしろパラリンピックを大事にしている、というメッセージです。党にとってこれは来年の統一地方選対策でもあるが、東京都のバリアフリー推進ということで都知事との共同歩調が重要。小池知事もそれに応えるかたちでパラリンピックの視察に行くということなのでしょう」
小池氏が昨年の衆院選で希望の党を突然立ち上げ国政進出したことで、都議会公明党は小池氏との蜜月関係に終止符を打ち、「知事与党」の関係を解消した。しかし、都民ファーストの会だけでは過半数に足りない以上、嫌われても公明党頼みの都政運営しか小池氏に残された道はない。
東京都の来年度予算案で公明党は「要望が幅広く反映された」と好意的な受け止めをしている。裏を返せば、小池氏が公明党の要望を目いっぱい、のんだということだ。20年に向けた福祉都市づくりでも、公明党は都知事と共同歩調で実現を目指す。小池にとっても、東京パラリンピック向けのバリアフリー対策で公明党をつなぎとめられる。両者の思惑が一致した。「保身に汲々とする小池氏は、都知事になって何がしたかったのか」という都民の声が、今の小池氏の現状を物語る。
(文=編集部)
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