“反安倍”の結集軸は「消費税ゼロを目指す政策」
――“0.1%に支配される社会”を変えようと、あえて安倍首相と同じ選挙区で立候補したわけですね。
黒川 もともと私は、愛媛県今治市で加計学園問題を追及して活動してきました。情報公開をはじめ、独自に入手した獣医学部棟建築図面を基に、建築費水増し疑惑などを追及してきたのです。ところが昨年9月、“モリカケ隠し解散”が行われてしまいました。解散の慌ただしさのなかで、モリカケについて話す人が激減してはまずいと思い、どうせなら安倍首相と同じ選挙区で戦おうと山口4区で立候補したのです。
同年10月6日の午前1時に山口4区で立候補することを決め、前日に支援者らが集めてくれた選挙供託金300万円だけを持って朝6時の新幹線に乗り込み、一人で山口に向かいました。最初の3~4日は「モリカケ隠し」を追及して訴えました。そのあとは、「皆さんの給料が下がるのは安倍政権の経済政策のせいだ」という方向にしたのです。
「経済政策を変えて暮らしをよくしよう」「消費税をゼロにしよう」と訴え始めると、周囲の反応が「あいつ、けっこういいこと言っているね」と変化したのを実感しました。市民派やリベラル陣営は、憲法9条、平和、人権などを重視しますよね。それには賛成だし大切なことですが、リベラル派が経済政策をメインにアピールする例が非常に少ないのは少々問題です。
民主党が政権を取ったときのスローガンが「国民の生活が第一」「コンクリートから人へ」と、経済政策に焦点を当てていたことを思い起こすべきではないでしょうか。
国政選挙では、生活重視で経済問題を中心に置いたほうがよく、その中核として「消費税ゼロ」を前面に出して訴えました。さらに、「人々の生活が貧しいのはなぜか」「税金はどうやって取られ、どう使われるのか」と問いかけ、グローバリズムと戦うことと関連付けました。
だから、経済政策で反安倍勢力がまとまったほうがいいのです。その結集軸としての「消費税ゼロ」だと考えています。この考えに無党派市民が結集して、受け皿になればと思います。野党や野党共闘を否定するつもりもないし、否定してはいけないと思いますが、このままでは政権交代の受け皿はできません。