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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

ジョージ・ソロス、日本・中国・米国らの第3次世界大戦勃発を予想

文=浜田和幸/国際政治経済学者
ジョージ・ソロス、日本・中国・米国らの第3次世界大戦勃発を予想の画像1安倍晋三首相と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)

 6月12日にシンガポールで開催される予定の米朝首脳会談は、土壇場にきて「中止」や「延期」の可能性が取り沙汰されていたが、2日、米国は予定どおり開催すると発表した。

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、「わが方のみに一方的に核廃棄を求める強圧的な態度では対等な平和交渉とはいえない」といい、米国のトランプ大統領は「ディールにはこうしたどんでん返しはよくあること。確実だと思った交渉が意外にも決裂するとか、ダメ元で臨んだ交渉がトントン拍子でうまくいくこともある」と語る。米国も北朝鮮も交渉のゴールである「非核化」の中身について、考えていることがまったく異なっているため、下打ち合わせをするたびに、対立点が明らかになってきた。そうした立場の違いを乗り越えるにはトップ同士の信頼関係が欠かせない。米国のポンペオ国務長官は「予定通りの開催に向け、準備を進めている」と前向きな発言をしていた。

 現状では、たとえ首脳会談が成立したとしても、互いに納得のいくような合意に達するのは至難の業。まさに前途多難といえるだろう。ホワイトハウスではトランプ大統領と金正恩委員長をデザインした「米朝首脳会談記念コイン」を鋳造し、歴史的な初会合を盛り上げようとしている。

 日本にとっては朝鮮半島の非核化や中短距離ミサイルの破棄をめぐる問題は、国家の存亡にかかわるもの。拉致問題も含め、早期の解決が望まれる。しかし、これ以外にも、わが国には少子高齢化、財政再建、エネルギー開発、対米通商摩擦、中ロとの領土・安全保障対立など、内外ともに難題が山積している。

 悲観すべき要素も多いが、「ピンチはチャンス」との逆転の発想も大事だろう。今回は、前編と後編の2回に分け、世界で活躍する投資実業家たち3人に焦点を当て、彼らの革新的ビジネス感覚を分析してみたい。そこから必ず日本人が陥りがちな悲観論を払拭してくれる積極的な行動指針が得られるに違いない。

「天才投資家」ジョージ・ソロス

 トップバッターは老いてますます元気な「天才投資家」ことジョージ・ソロス氏。1930年にハンガリーの首都ブダペストで生まれ、ナチスの迫害や第2次世界大戦の戦火から逃れ、苦労しながら、英国で経済と国際政治を学び、その後1956年にアメリカに渡った。1973年にヘッジファンドの先駆けともいえる「クォンタム・ファンド」を設立して以来、記録的な利回りを達成し、巨万の富を得たことで知られる。

浜田和幸/国際政治経済学者

浜田和幸/国際政治経済学者

国際政治経済学者。前参議院議員、元総務大臣・外務大臣政務官。2020東京オリンピック招致委員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士

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