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白鵬、全勝優勝の裏で露呈した“衰え”と「相撲界全体より自分優先」主義…八百長相撲の真相

文=井山良介/フリーライター
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「彼は人がいいよね。あるとき、エレベーターで一緒になったら『何階ですか?』って聞かれて。天下の横綱がエレベーターボーイ。恐縮したよ(笑)」(吉田さん)

白鵬のエルボーは相撲ではなくプロレス

――ひと昔前の相撲界と異なるのは、八百長や片八百長が消えたことです。メールで星のやりとりをした証拠が見つかって以降、八百長はすっかり見なくなりましたね。

「僕が小さい頃、千秋楽で7勝7敗の力士が13人いて、12人が勝ちました。負けた1人は、対戦相手も7勝7敗で、つまり両力士とも勝ち越しのかかった一番だったんです。単純に計算して、これはとてつもない確率です。それが今は、7勝7敗の関取も平気で負けます。もうひとつ、栃ノ心や高安など元大関が2人も3人もいることも、昔は考えられなかった。“大関互助会”で星を回し合っていましたからね。つまり、今は八百長はほとんどなくなっていますね」(佐藤さん)

「相撲協会は“無気力相撲”と言うけどね。それはさておき、昔は優勝決定戦でも片八百長があったよな。同じ部屋の関取同士の決定戦とかさ。その意味で、白鵬対照ノ富士は超のつく真剣勝負だった。白鵬の相撲については賛否両論あるけど、ルールの範囲内だから一概にダメとは言えない。でもな、観客の大半は妙な取り口に冷めてしまった。観客を喜ばせるなら、ああいう相撲はダメなんだ」(吉田さん)

――張り手はまだしも、エルボーはえげつないですもんね。

「あれはプロレスだよ。観客が冷めちゃう。相撲を芸能と考えたとき、途中で観客が引くことはあっても、最後は大団円で終わるのが興行の本筋だ。けれど、白鵬はそんなこと微塵も思っていない」(吉田さん)

「相撲協会は完全な実力社会ですよね。優勝回数で他の追随を許さない白鵬に文句を言える人間はいないんです。だからこそ、白鵬が好きにやれてしまいます」(佐藤さん)

「ライバルもいないしな。北の湖には輪島、貴乃花には曙、朝青龍には白鵬がいた。この状況は一人天下にはならない。しかし、今は白鵬の一人天下。これじゃダメだよ。来場所、照ノ富士の逆襲に期待したいね。やりたい放題の白鵬に引導を渡すことを期待したいよ」(吉田さん)

井山良介/経済ライター

井山良介/経済ライター

1976年生まれ。経済をメインとするフリーライター。野球に関する書籍の編集もしており、プロ野球や高校野球に関する執筆も多い。

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