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日本、敏感に反応すべき
また、これまでの人口増に対応してきた農業生産性の向上についても、次のように懸念を表明している。
「今後数十年で、耕作地を大規模に拡大せずに 食料の生産量を大幅に増産しなければならないが、直近の数十年で見ると、世界の小麦、コメ、トウモロコシなどの主要生産物の単収増加率は、1960年代や1970年代に比べて大きく鈍化している。問題は、単収の増加率が今後数十年における需要の伸びに追いついているか、ということである」
要するに2050年には世界の人口増に見合う食料生産が今のままではできず、世界的な飢餓もありうるとの見通しを立てている。そして、それを解決するためには、世界の農家の大半を占める小規模農家または超小規模農家の家族農業を活性化させ、単収を増加させて、全人類に必要な食料の確保を遂げようとしている。この食糧危機予想が、国連が「家族農業の10年間」の取り組みを世界に求めた理由なのである。
食料自給率38%の日本は、輸入に食料の確保を依存している。食糧危機予想にもっとも敏感に反応しなければならないのは、日本である。食料の争奪戦になった時、日本政府は国民の生存を守ることができるのか。今から私たちは身構えなければならない。
(文=小倉正行/フリーライター)
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