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自民・公明、沖縄知事奪還のため人・カネ総動員…辺野古移設強行狙い翁長知事の遺志ないがしろ

文=編集部
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自民党、公明党の本気度

 前回の知事選では自主投票だった公明党だが、今回は年明け早々から自公体制で総力戦を敷くことを決め、2月の名護市長選挙で知事選の予行演習をしてきている。

 名護市長選では、菅義偉官房長官と創価学会の政治担当である佐藤浩副会長の連携によって、現地に自公合同選対本部がつくられ、ローラー作戦で地元の業界団体回りなどが行われた。告示前に、官房長官だけでなく二階俊博・自民党幹事長など幹部が次々に沖縄入り。告示後は、人気のある小泉進次郎衆院議員が2度も応援演説に立った。

 さらに、「基地問題」という争点はできるだけ隠して経済振興や中央とのパイプを前面に打ち出し、人もモノも金もふんだんに投入して自公の必勝体制で戦った結果、現職市長を破る大逆転劇を演じた。

 この名護での勝ちパターンは今年6月の新潟県知事選でも使われ、新潟でも自公系の候補が勝利している。

 つまり、2度の予行演習を経て、いよいよ本番の沖縄県知事選に臨む、というのが今の自公なのだ。早々に候補者の一本化調整もして佐喜真氏を擁立しただけでなく、お盆明けから自民党本部は職員を沖縄に派遣。総裁選の期間と重なるにもかかわらず、所属する国会議員に対し、沖縄県関係者への働きかけや沖縄入りの指令も出されている。

 そのため、オール沖縄陣営は「弔い選挙だから」と高を括っていると、足下をすくわれることになるだろう。

 翁長氏の音声の真贋をめぐって県政与党に亀裂が入るなど、前回選挙のような一枚岩での玉城氏支援体制が取れるのかどうか不安視されているが、内紛は自公を利するだけだ。

 そして国政の野党に目を向けると、玉城氏が自由党所属なので、小沢一郎共同代表を筆頭に自由党は全面支援するとみられるが、野党第一党の立憲民主党や国民民主党はどうするのだろうか。

 前述のように、沖縄県知事選の結果は、今後の国政の政局を大きく左右する。沖縄に所属議員がいない、県連がないといった理由で知事選への関与に及び腰にならず、社民党や共産党とともに野党が一丸となって全力で支援する体制をつくらない限り、必勝体制の自公に野党は勝てないだろう。

ちなみに、立憲民主党は8月29日、枝野幸男代表が沖縄入りし、沖縄県連の設立会見を開いた。

玉城デニー氏、8月29日に正式に出馬表明

 玉城氏は8月29日、那覇市で正式に出馬を表明した。

 正式出馬表明を前に玉城氏は28日、立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の大塚耕平共同代表、共産党の志位和夫委員長、衆院会派「無所属の会」の岡田克也代表、社民党の又市征治党首と個別に会談。5党派の代表は玉城氏の出馬を歓迎すると応じた。自由党の小沢一郎共同代表が付き添い、全面支援を各党に念押しした。

 その後、小沢氏は国会内で記者会見し、「翁長氏の志を継いで知事選に臨む決断をした」と語った。小沢氏は会見で「弔い合戦だと呑気にしていられる状況ではない。政府・与党は必死で来るはずだ」とした。

 剛腕で鳴る小沢氏の積極的な関与により、与党側は「知事選は『社共』ではなく小沢氏との戦いだ」と警戒し始めている。
(文=編集部)

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