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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

ソフトバンク、通信障害とダブル危機…盟友・ファーウェイを米国が世界から排除

文=渡邉哲也/経済評論家

 中国と5G覇権を争うアメリカにとって、やっかいなのは入れ替わりの激しい端末よりもインフラである基地局のほうだろう。そのため、今後はファーウェイの基地局を狙い撃ちにするかたちで制裁などの標的にしてきてもおかしくない。これは極論だが、ファーウェイやZTEの基地局や設備を使用している通信会社は「セキュリティ上の問題」を理由にアメリカとの通信が遮断される可能性もある。アメリカとは電話ができず、インターネットにも接続できないというわけだ。

 いずれにせよ、孟容疑者の逮捕でアメリカを中心とする世界的なファーウェイ排除が加速することは間違いなく、5Gをめぐる米中の対立が激化すると思われる。そして、ファーウェイと通信障害という2つの問題に悩まされるソフトバンクは上場を前に危機に直面しているといっていいだろう。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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