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流動比率は法人の短期的な支払い能力を示すもので、この比率が高いほど資金的な余裕があることになる。また固定比率は法人の有する固定資産(土地、建物、施設、図書など)が、どの程度自前の資金で賄えているかを表すもので、こちらは低いほうが優れている。
いずれの指標でもトップ10入りしたのは愛知淑徳、帝京平成、甲南、拓殖、九州産業、立正の6校だった。なかでも際立っているのは愛知淑徳であろう。抜群の好財務と評価される上場企業でも、流動比率が4桁(1000%)に達するところは数少ない。
上位の顔ぶれから感じるのは、地味系の大学が目立つことであろうか。良家の子女が集まるイメージのある甲南や、金満法人として知られる帝京系はともかく、他の上位校は堅実な二番手校との印象を受けるところが多い。トップ校やライバル校の草刈り場になりやすい二番手校ゆえに、守りを一層固める必要があったのかもしれないが、生き残りに向けて消耗戦が始まっているなかで、鉄壁の財務が得難いオプションになることは間違いあるまい。
もっとも大学やそれを運営する法人が、好財務を広告などで訴求することは憚られることらしい。
「もともと学校法人は営利を追求することを目的としておらず、いたずらに好財務を謳えば、補助金や教職員の覇気にも影響してくる懸念がある」(大学関係者)
要するに藪蛇になるということなのだろう。
(文=島野清志/評論家)
※サンプルとした50校
日大、早稲田、近畿、立命館、東洋、明治、法政、関西、慶應、東海、同志社、中央、関西学院、帝京、龍谷、立教、福岡、専修、神奈川、青山学院、東京理科、駒澤、名城、京都産業、国士舘、上智、中京、東京農業、明治学院、大東文化、神戸学院、東北学院、愛知学院、関東学院、中部、関西外国語、九州産業、國學院、立正、帝京平成、愛知、南山、千葉工業、愛知淑徳、拓殖、桜美林、甲南、東京電機、学習院、獨協
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