皇室内に生まれたさざ波
そしてこうした議論が、徐々に皇位継承の安定性・正統性を揺るがす懸念を生みかねないという。
「現天皇の生前退位が決まった際、今後皇族ご本人のご意思が現実の即位や退位に反映されることが増えると、皇位継承の安定性が揺らぎ、天皇や皇太子の空位という事態すら起こり得ると、一部から懸念の声も上がっていましたが、まさにそれが現実問題となりつつあります。また、皇族のご意思によって頻繁に皇位継承順位が変わったり、即位や退位が行われるようになれば、皇室および皇位の正統性というものについて、国民から広く理解・共感が得られるのかという問題も出てくるでしょう」(別の皇室に詳しい記者)
秋篠宮さまの“天皇即位拒否宣言”の持つ意味の重さがうかがえるが、こうした秋篠宮さまのご自由なご発言によって、皇室内にさざ波が生じつつあるという。
「今回の朝日報道は、秋篠宮さまがマスコミを通じて即位拒否の意向を世間に示されたとみられていますが、昨年、秋篠宮ご夫妻が長女・眞子さまの元婚約者の小室圭さん側に借金問題が解決しない限り『納采の儀』(一般の『結納』に当たる)が行えないと伝えたと朝日がスクープし、これも秋篠宮さまが自らのお考えを関係者を通じてマスコミへ示されたものだといわれています。このようなマスコミへのリークのような行動に対し、皇太子さまは非常に複雑な感情というか、不信感に近いものを抱いておられるようです」(同)
秋篠宮さまといえば昨年11月、誕生日に際して行われた毎年恒例の記者会見で、代替わりにともなう皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」について公費の「宮廷費」から支出することに言及され、「宗教色が強いものについて、それを国費で賄うことが適当かどうか」「そのことは宮内庁長官などには、かなり私も言っている」「(宮内庁長官は)話を聞く耳を持たなかった」「そのことは、私は非常に残念なことだった」とご発言。これが宮内庁批判としてメディアでも大きく取り上げられた。
「こうした自由なご発言に加え、眞子さまと小室圭さんの結婚問題が解決しないままで代替わりを迎えることになり、秋篠宮家内部の断絶なども取り沙汰されるなかで、果たして『皇嗣家』としてしっかりとそのお務めを果たせるのかと、皇太子さまも不安に感じておられるという声も聞こえてきます。