CCCに出した6つの質問事項は以下のとおり。
(1)和歌山市に対して、TSUTAYA TVの広告が違法認定されたことの報告はしたか。
(2)消費者庁から調査を受けたり、資料の提出を求められたり、弁明の機会を設けられたりした事実はあったか。
(3)違法認定を察知して、指定管理者選考時期を本来のスケジュールよりも早めるよう働きかけた事実はあったか。
(4)新市民図書館の指定管理者を辞退するつもりはないか。
(5)図書館運営部門でも、事実に基づかない自社実績のアピール(入館者数、アンケート等の報道発表など)行為が常態化しているのではないか。
(6)図書館の利用者をはじめとした関係者に、今回の虚偽広告の件で何かメッセージはないのか。
残念ながら、この問いについて、2カ月以上経過した現在にいたっても回答はない。
一方で筆者は、TSUTAYAが違法認定された期間中にCCCを図書館の運営者に選定した和歌山市に対しても、本件に関する見解を質すために4月4日、「市民図書館の指定管理者であるCCCが基幹事業において犯した違法行為に関する文書」の開示を請求した。
CCCは、もし指定管理者選考時には報告していなかったとしても、さすがに事件が発覚してメディア報道もされた以上、和歌山市に対してなんらかの報告をしているだろうから、その文書を開示してほしいという主旨の請求である。
その請求から2週間後、決定通知が送られてきた。
結果は「不開示」。理由は「開示する文書が存在しないため」とされていた。要するに、国の機関に違法認定されたTSUTAYAの行為に関して、和歌山市には一切の文書が存在しないということである。
和歌山市「親会社は別人格なので問題なし」
本題はここからだ。こういった文書にしては珍しく、「備考」に以下のような特記事項があった。全文を引用しておこう。
「カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社と株式会社TSUTAYAは、別人格の法人であり、募集要項2応募資格等(6)選定対象エその他不正行為があった場合及び基本協定書第45条第1項第5号の対象ではないため」
「子会社TSUTAYAとは別人格だから、親会社のCCCは不問」との判断には、強い違和感を覚える。極めて稚拙な言い訳ではないだろうか。
CCCが和歌山市にそう伝えたのか、それとも和歌山市長がそう言っているのか、あるいは市の法務部門で検討した結果なのか、それとも図書館を管轄する市教委が独自に出した結論なのかなどなど、さまざまな疑念が沸いてきた。
2月から3月にかけて、市民図書館の担当者に直接話を聞こうとしたが、何度連絡しても「不在」とのことで、さらに伝言もお願いしていたにもかかわらず一切返答がなかった。そのため仕方なく、情報開示を請求したところの回答がこれでは元の木阿弥だ。なんとしても担当者に直接、話を聞かなければならなくなった。
担当者は、市民図書館に常駐しているはずなのに、いつ連絡してもつかまらなかったため、役所内の立ち寄りそうな部署に連絡してみたり、あるいは情報開示の担当者に仲介をお願いしたりした結果、数日後に、ようやくご本人と連絡が取れて、話を聞くことができた。
以下、そのときの一問一答をご紹介したい。