ひろゆき、ホームレスの公園締め出しに「当たり前」と持論　リベラル派とのバトルが激化

　2ちゃんねる開設者で実業家の「ひろゆき」こと西村博之氏が、東京・渋谷の区立美竹公園に仮囲いが設置されて路上生活者が締め出された問題について「当たり前のこと」などと持論を展開。区の対応を疑問視する人たちから批判が寄せられ、ひろゆき氏がそれに反論するなど物議を醸している。

　渋谷区によると、美竹公園は隣接地と一体で行う再開発の中で再整備を実施する予定で、本工事の準備のため25日朝に仮囲いを設置して公園を閉鎖した。公園では4人の路上生活者が寝泊まりしていたが、区側は「公園にいらっしゃった4名のかたには、丁寧にお声かけをさせていただきました。3名のかたには、福祉事務所を通じてシェルター（区が借り上げている民間アパート）をご案内いたしました」と説明。公園に残った1人については「ご本人のご意思でとどまっていらっしゃる状況」とし、荷物が多くて移動できないという。

　これに対して、路上生活者の支援者らが「事前告知なく行き場のない人たちを一方的に追い出すのは人権上問題」などと抗議。区側は「丁寧に声がけした」というが、仮囲い設置が正式決定したのが当日朝だったために事前告知できなかったのは事実だという。そうした背景もあって、Twitterで「#美竹公園 」がトレンドワード入りするなど騒動が拡大し、れいわ新選組の山本太郎代表が現地に駆けつけて抗議する事態にも発展した。

　この状況について、ひろゆき氏は26日付のTwitterで「『税金で運営されてる公共の場を個人が占有するのは良くないよね』という当たり前のことが理解出来ない人が多いのが不思議」とツイートし、区の対応は当然との認識を示した。さらに「『強制的に追い出すのは許せない』とかいう人は、その人の家に勝手に住み着いて、荷物を置き始めても追い出さないのかな？」と、区に抗議する人たちにも疑問を呈している。

　これに「公園しか居場所がないから公園にいるわけで、迷惑をかけたくて意図的にやってるのではないと思う。責めるべきはホームレスを生み出した社会のシステムであり、このような（※ひろゆき氏のような）思想を生み出した社会のあり方」という批判が寄せられると、ひろゆき氏は「（自分が問題にしているのは）区がアパートを用意したのに、公園に残ったホームレスの話しです。『公園しか居場所が無い』とか、すぐにバレる嘘をつくのは、何故ですか？」と反論した。

　これを受けて、ネット上では「この季節に誰も路上で生活なんてしたくないのに、それでも路上生活者がいる現実に想像力を働かせてほしい」「区がアパートを用意したからといって強制排除は許されることじゃない」「ひろゆきの言うとおりで、アパートまで用意してるのに区の対応を批判する意味がわからない」「ひろゆきの感覚が普通だと思う」などと、賛否両論が巻き起こっている。

ひろゆき氏VSリベラル派の構図に

　ひろゆき氏は、今月初めにも沖縄・辺野古の米軍新基地建設に反対する座り込み抗議運動についてTwitterで揶揄するような発言をしたことで騒動に。座り込みの時間外に現地を訪れ、「座り込み抗議、不屈3011日」などと書かれた看板の横でピースサインをしている写真と共に「誰も居なかったので、0日にした方がよくない？」と茶化すように記したことで物議を醸した。

　これをきっかけとして、ネット上の「リベラル派」の人々がひろゆき氏を敵視するように。ひろゆき氏を広報動画に起用している金融庁の前で有志5名による抗議デモが展開される事態にも発展した。しかし、ひろゆき氏は「参加者5人。友達、少なすぎない？大丈夫？」と再び茶化し、金融庁側の対応についても鈴木俊一財務相が21日の会見で「ひろゆき氏の活動と金融庁の広報活動は別物。現段階で動画を削除する予定はない」とコメント。結果的にひろゆき氏の“圧勝”となっていた。

　そうした背景があった上で、今回またもリベラル系の人々を刺激するような発言が話題になったことで余計に溝が深まりそうな気配。ネット上では「ひろゆきは体制側もリベラル側も平等におちょくる人」という指摘もあるが、今後はしばらくリベラル派とのバトルに注目が集まりそうだ。