細川 それも原発と非常にリンクしている。原発をやめると言うことで、自然エネルギーを成長産業に変えることができる。地熱やバイオなどありますが、日本ほど自然エネルギーに恵まれている国はない。欧州でも、自然エネルギーに切り替えて経済成長が始まっている国が少なくない。ドイツではこの6年間で20万人雇用が増えている。日本は7割が森林なのだから、バイオマスで地方を活性化することもでき、日本全体が自然エネルギー大国として発展していくことができる。
–現政権とは方向性が真逆ですが。
細川 今度の選挙は、原発に頼って、極めて旧態依然とした経済を続けようとする人と、自由なスタイルで原発プラスアルファでやっていこうと人と、私たちのように太陽や水、地熱などの自然エネルギーでやっていこうという人たちとの闘いですから、価値観の違い。日本が人口減に向かう中で、大量生産・大量消費の下で原発をあちこちに売りまくってやっていけるかというと疑問です。この点において、小泉さんともまったく合致しています。
–小泉さんとは二人三脚で遊説をやられていますね。
細川 聴講者の数は「総理の時より多い」と小泉さんも笑っています。フル回転で朝早くからやっています。街頭だけに専念できないし、会合や取材対応もある。91歳の瀬戸内寂聴さん(作家)や梅原猛さん(哲学者)も来て、家内と一緒に2号車でまわってくれる。
高齢者の方も、自然エネルギーの分野で就労の機会が増えると思います。廃炉にするまで30~40年かかることは見えているので、今から「原発ゼロ」と言うことで、自然エネルギーを日本の成長戦略の中心に位置づけることができるのではないでしょうか。企業活動も活性化することに結びつくはずです。
–ありがとうございました。
●「殿の大逆転」のカギは女性?
細川候補の主張には、完全に同意はしないが、なるほどと思う部分も少なくなかった。だが、同氏のインタビューを終えて私が感じたのは、実はこの選挙の陰の主役は女性たちではないのかということだ。舛添候補のDV(家庭内暴力)やナイフ収集癖を暴露したのは、推薦している自民党の議員である片山さつき議員。細川候補は安倍総理には苦言を呈するが、「奥さん(昭恵夫人)とはウマが合いそうだ。奥さんが総理になったほうがいいのでは。原発でも正しいことを言っている」とラブコールを送る。細川候補の夫人、佳世子氏は音楽評論家で作詞家の湯川れい子氏、ノンフィクション作家の澤地久枝氏を引き連れて、「(この選挙に)勝って、安倍さんに、そんなに日本人はバカじゃないと思い知らせてやりたい」(澤地さん)などと、演説会で気炎を吐いている。もし、「殿の大逆転」があるとしたら、その時カギを握るのは間違いなく女性だ。
(文=横田由美子/ジャーナリスト)