さて、旅行といえば、今月下旬からゴールデンウィークが始まる。上手に休暇を取れば10日以上の連休を取ることもできるため、海外旅行に出かける方も多いのではないだろうか。
JTBが昨年末に発表した2014年の旅行市場についての見通し調査結果では、海外旅行人数が前年比2.1%増の1780万人、国内旅行人数が0.2%増の2億9150万人になると予想している。4月1日からの消費増税による経済停滞が予測されるが、後半には景気の盛り返しが期待され、円安傾向も続くと予想。さらにシニア層の旅行意欲も強いことから、旅行市場は拡大するとJTBは予測している。さらに、消費額は海外旅行が5.2%増の4兆8700億円、国内旅行が5.3%増の10兆3900億円と推計。特に国内旅行は08年のリーマンショック後で最高値になるそうだ。
このように旅行市場は好景気が見込まれ、アベノミクスによる景気回復が叫ばれる一方、まだ好景気の実感を持てない一般消費者は多いのではないだろうか。
●冷え込む消費マインド
そこで、インターネット調査会社・マクロミルが定点観測している「MACROMILL WEEKLY INDEX」のデータから、現在の消費マインドをみてみよう。
「MACROMILL WEEKLY INDEX」の「使ったお金」>「個人消費額」をみると、3月最終週が特異な数値を示している。3月最終週の平均個人消費金額が前年同期を4600円も上回る1万9800円となり、一年で最も高い消費の山である年末年始並みになったのだ。
これは明らかに増税前の駆け込み需要の影響であるが、「MACROMILL WEEKLY INDEX」の「消費予想」(過去1カ月間と比較した、今後1カ月の個人消費量の変化)をみれば、昨年同時期よりも8ポイントも低く、過去1年間で最低値を記録している。
3月最終週に年間最高の消費を記録する一方、その後しばらくの間の消費意欲は失われているのだ。さらに「MACROMILL WEEKLY INDEX」の「買う予定のもの」>「国内旅行」をみると、4月第一週は3月第三週よりも3ポイントも下がっており、過去1年で最も低い数値を記録した。暖かくなった春に旅行気分が落ち込むという特異な状況になっている。
これらのデータをみる限り、消費増税の影響は大きく、消費マインドだけでなく旅行意欲にも影響を与えていることがわかる。