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同志社大学、脱「普通の大学」目指すユニークなグローバル戦略 3つの経営資源を活用

長田貴仁/神戸大学経済経営研究所リサーチフェロー、岡山商科大学経営学部教授
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同志社大学、脱「普通の大学」目指すユニークなグローバル戦略 3つの経営資源を活用の画像1同志社大学(「Wikipedia」より/Yukke123)
 OBではなくても、大学名を聞けばすぐに創立者を連想する大学が日本に4つある。慶應義塾大学の福澤諭吉、早稲田大学の大隈重信、津田塾大学の津田梅子、そして同志社大学の新島襄である。当然、反論があるかもしれないが、日本史の教科書にも名前が出てくることからすれば、当たらずとも遠からずといえよう。2013年のNHK大河ドラマ『八重の桜』を見た人であれば、同志社の関係者でなくても、その設立の経緯、創設者・新島襄とその夫人である新島八重の一生が非常にドラマチックであることを知ったのではないだろうか。

【下記URL参照】
http://www.doshisha.ac.jp/information/history/neesima/neesima.html
http://www.doshisha.ac.jp/yae/index.html

 今年6月14日は、創立139年の同志社にとって歴史的記念日である。創立者・新島襄が志をもって、国禁を犯してまで北海道函館の地からアメリカを目指して渡航してから150年目に当たる。函館は、同志社大学の原点ともいえる地。この記念の年に学校関係者はもとより、記念碑を守り続けている現地の校友・同窓だけでなく全国の校友・同窓、函館の市民が一堂に会し、150年前の新島の想いを偲ぶ行事が開催された。

 この歴史からもわかるように、同志社大学の創立者は、鎖国期から海の向こうを見ていたのである。ところが、現在、学長を務める村田晃嗣氏は「おや」と思わせるような発言をした。

「世界で何位、というランキングに振り回されてはいけない」

 村田学長がいうランキングとは、日本の政府、大学関係者が敏感に反応する「ザ・タイムズ・ハイアー・エデュケーション(The Times Higher Education)」である。これは、イギリスのタイムズ紙が付録冊子として毎年秋に発行している高等教育情報誌。同誌に掲載された教員一人当たりの論文被引用件数をはじめとするさまざまな指標に基づく「世界大学ランキング2013-14」によると、1位の米カリフォルニア工科大学をはじめ、世界のトップ10はすべて米英の大学(米7、英3)に独占されている。

 では、日本の大学はどの位置にランキングされているのか。100位以内では、23位に東京大学(昨年27位)、52位に京都大学(同54位)が入っているのみ。100~200位圏内を見ても、125位の東京工業大学(同128位)、144位の大阪大学(同147位)、150位の東北大学(同137位)の3大学しかない。201~300位に、名古屋大学、首都大学東京と東京医科歯科大学がやっと出てくる。そして、慶應義塾大学と早稲田大学は400位圏内から外れてしまった。

 このランキングを見て、村田学長は違和感を覚える。

「ランキング上位、日本の大学だけに限っても、日本を代表するある大学が入っていないことに気づきませんか。その大学名は一橋大学です。この調査では、どうしても理工系の大学が優位になります。ご存じの通り、一橋大学は社会科学系大学で、理工系学部・大学院はありません」

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