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●突然破綻のリスクも
さて、余額宝の人気はどこまで続くのだろうか? オンライン金融商品同士の競争が激しくなり、利回りが大きく低下した際に取り付け騒ぎなどは発生しないのだろうか? 現時点では、アリババなどの信用だけでここまで成長してきたが、大量解約に対する備えがどの程度できているかというのは、アリババの情報開示から判断するしかない。ちなみにこれらのサービスは政府の銀行監督行政の枠外にあるらしく、規制や検査などはまったく受けてない様子である。
余額宝では集めた金の92%を大口定期預金で運用し、残りの8%は解約に応じる際の準備金として積み立てているようだ。しかし、わずか1年で急成長したものが、1年で突然破綻しない保証はどこにもない。この8%という準備率が十分なものなのかどうかは誰もわからない。ちなみに、日本においては、このようなオンライン金融商品は出資法第2条の「預り金」禁止に抵触する可能性がある。仮に開業する場合は、金融庁による規制と監督を受けることになる。
4月末現在で、中国のオンライン金融商品の資産規模は1兆7500億元に達した。これは実に国家予算の2割近くの金額だ。今年2月にはアリババが新たな保険理財商品を発売した。この商品の予定利回りは7%で、運用期間は1年。2月14日に発売を開始したところ、わずか数分で完売し、8億8000万元(約146億円)を売り上げたそうだ。
果たして、中国のオンライン小口投資バブルはいつまで続くのだろうか。
(文=上念司/経済評論家)
※原文は「チャイナ」ですが、編集部の判断により「中国」に変換しました。
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