また、金融庁の調査によると、「中小企業の資金繰り悪化の原因」として「改正貸金業法の影響」が占める割合は1%台である。
ではなぜ、前出の国会議員たちは「見直し」をめざすのか?
7月19日、貸金業法に関する集会で、民主党の橋本勉衆議院議員は、「業界からお金をもらっているんじゃないか」と発言した。確かに、再改正を推進する議員たちの経歴を見ると、まるで橋本議員が抱く疑念を裏付けるかのようである。
民主党・WTの事務局長・網屋信介衆議院議員は、消費者金融・事業者金融のNISグループ(12年5月に民事再生申立)の元社長だ。自民党・小委員会の平将明事務局長も、商工ローンなどからグレーゾーン金利を含んだ債権を買い漁ったあげく破綻した、日本振興銀行の元取締役。例えていえば、東電の元役員が国会議員になり、原発再稼働を推進するようなものだ。「見直し派には、共通の『支援者』がいる」(多重債務問題に詳しい弁護士)との声もある。
また、民主党・WTなどのヒアリングに引っ張りだこの堂下浩教授(前出)は、早稲田大学クレジットビジネス研究所の研究員を務めているが、「同研究所の前身は、大手消費者金融が資金を出し合い、まさに”サラ金業界マネー”で設立された消費者金融サービス研究所であり、業界寄りの論文を量産している」(前出とは別の貸金業界関係者)という。
消費者金融業界の代弁者たちが、前のめりで再改正を推し進めているとの印象はぬぐえない。
(文=北健一/ジャーナリスト)
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