2012年に行われた衆議院議員総選挙で下野し、13年の参議院議員通常選挙では獲得議席数が結党以来最小の17に甘んじた民主党。今年4月に行われた統一地方選挙では、愛知県や三重県などで躍進したものの、大阪府や京都府では維新の党や共産党に押され、劣勢となった。
党内では、「退潮傾向に底を打った」という楽観論と、「今後も党勢が低落する」という悲観論が混在している。そんな状態で、党の再生はかなうのだろうか。イメージ戦略を担当する広報委員長の林久美子参議院議員に、その可能性と秘策について聞いた。
–党の再生のために、大事にすべきことはなんでしょうか?
林議員(以下、林) まずは、情報発信の強化が大事だと考えています。民主党がどんな主張をしているのか、どういう国をつくっていきたいのか、という思いがしっかりと国民に伝わるようにしたいです。例えば、キャッチフレーズですが、統一地方選挙では「生活起点。」「地域起点。」を掲げました。これらは、民主党にとってベースとなる思想で、私たちにはわかりやすいものです。しかし、国民に対するアピールとして考えた時、この表現でよかったのか、有権者にしっかりと伝わったのか、という点について考えなくてはなりません。
–そのためには、岡田代表のイメージチェンジも必要です。例えば、最近ではメガネ姿が不評でした。
林 周囲もそれとなく伝えており、ネクタイを新しくするなど、本人もそのあたりは意識しているようです。
–4月17日の記者会見では、エルメネジルド・ゼニアのネクタイを着用していました。高級ブランドのスタイリッシュなネクタイなのですが、記者からは「暗いですよ」という声が出ていました。
林 あれは相当ショックだったようで、会見が終わった後に「今日初めて着けたネクタイなのに、そんなことを言わないでほしい」とぼやいていました(笑)。そういうふうに、岡田代表はもともと人間味のある人なのですが、それがうまく伝わっていない気がします。