そもそも保険は必要なのか
人生の中で、保険を見直すべきタイミングは何度もある。結婚、出産、マイホームの購入、子どもの独立などの転機を迎えると、必要な保障は大きく変わるためだ。年代別に考えてみよう。30代では、結婚、出産、マイホーム購入というライフイベントを迎える人が多い。40代は、子どもの教育費がかさむ時期で、大学進学へ向けた準備が佳境に入ってくる。50代になると子どもが独立して家計が楽になる一方、自身が病気にかかるリスクは上がり、医療費の不安が出てくる。
したがって、30代では、いざという時に家族を支えるための保障を用意し、40代では、その保障に過不足がないか確認をする作業が必要になる。50代になったら、家族のための保障は最小限に見直すことができる。
どの年代においてもまず確認したいのが、そもそも保険は必要なのか、ということだ。「いざというときのために」という思いから、つい手厚くしてしまう保険だが、病気や死亡時には、サラリーマンなら公的扶助があることを忘れてはならない。医療費が高くなる場合は、高額療養費制度を使えば、月々の出費は8万円プラスアルファで済む。治療や入院が長引いて会社から給料が支払われない場合でも、傷病手当金という制度を使えば給料の3分の2に相当する額が最大1年6カ月支給される。自分が死亡した場合でも遺族年金が支給されるため、家族の収入が0になるということはない。これらの公的扶助の存在を理解した上で、それでも不足すると考える分だけを保険で用意しよう。
30代では、家族を支える保障を準備
30代で準備しておきたいのは、医療保障と死亡保障だ。この時期に結婚や出産を経験する人が多く、家族の生活を守るための保障に軸足を置く。医療保障については、高額療養費や傷病手当金のことを考えると、日額5000円程度のもので十分だ。余計な特約を付けないように注意したい。