「お金を貯める」というと、「努力が必要」「コツコツやらなければ、続かない」などと思う人が多いのではないでしょうか? お金を貯めている人は、そういったタイプが多いのも事実ですが、たとえそうでなくても、うまく貯めるコツがあります。
それは、貯蓄そのものを“アウトソーシング”することです。例えば、料理の苦手な人がスーパーマーケットで完成品の惣菜を買ったり、忙しくて掃除する時間のない人が、年に数回、プロのお掃除サービスを利用して部屋をきれいにしてもらったりということに似ています。
プロに頼むと、その分お金がかかることも多いですが、貯蓄の場合は必ずしもそうではありません。自動的にお金が貯まる仕組みを、無料で利用することができるのです。
第一候補は「財形貯蓄」「自動積立定期預金」
給料が入り、「後で貯めよう」と思っていると、「今月は出費が多いから、また来月にしよう」などと、つい先延ばしになりがちです。そのため、給料が入ったら、間髪入れずに貯めてしまうことが大切です。
「すぐに貯める」ツールとしては、給料から天引きされる「財形貯蓄」や「社内預金」がおすすめです。勤務先の会社にそれらの制度があれば、ぜひ利用しましょう。“貯蓄のアウトソーシング”として、最強のツールです。
私は、社会人デビュー後、先輩社員から「財形がいいよ」というアドバイスをいただき、「物は試しだ!」と、すぐに月々2万円の財形貯蓄に申し込みました。
新社会人の少ない給料のうち2万円は大きいですが、最初から引かれた額が振り込まれるため、「自分の手取りはこれくらいなんだ」と、違和感なく受け止めることができました。そして、これが大正解でした。たとえ給料を使いきったとしても、毎月2万円は貯蓄に回っているわけで、「確実に貯まる仕組み」ができたからです。
一度申し込みをするだけで、10年では「2万円×12カ月×10年=240万円」の貯蓄になります。月々5万円にすれば、10年間で600万円も貯まることになります。
このように、貯蓄をアウトソーシングすれば、「努力」や「コツコツ」とは無縁で簡単に貯められるようになるのです。
勤務先に財形貯蓄の制度がない場合は、給与振込口座で「自動積立定期預金」をつくりましょう。これは、普通預金から、毎月決まった日に決まった金額を定期預金に振り替えてくれる仕組みです。日にちや金額は自分で決められるので、例えば給与振込日の翌日に設定しておけば、天引きに近い感覚で貯められます。また、基本的に手数料もかかりません。