自動的に貯まる仕組みをつくっておけば、「貯めなきゃ……」と思いながら過ごす必要もないため、精神的にも楽になるでしょう。「なんとなく、給料を毎月使いきってしまっている」という人は、月に1万円でも2万円でも、貯蓄のアウトソーシングをしてみるのもいいかもしれません。
投資もアウトソーシングできる
また、投資に興味があるものの、「相場に張りついて、タイミングを図って売買しなければならないので、難しい」と思い込んでいる人も多いのではないでしょうか? 情報収集などの時間もかかるため、忙しいビジネスパーソンには無理だと思われがちです。
しかし、この投資もアウトソーシングすることができます。例えば、投資信託であれば、国内外の株や債券、不動産などをプロが買い付け、個人でも買いやすいように小口に分けて販売されています。1万円程度から購入できるので、まとまったお金も不要です。
ただ、投資信託は3つのタイミングで手数料がかかります。購入時の「販売手数料」(無料の「ノーロードファンド」もある)、保有時の「信託報酬」、売却時の「信託財産留保額」です。この3つの手数料は、併せて購入価格の1~5%くらいが一般的です。
さらに、投資信託でも積み立てができ、毎月1万円ずつ買い付けることも可能です。一度申し込めば、後は自動的に買い付けが行われるので、手間はかかりません。決まった金額で買い付けるということは、相場が高い時は少しだけ買い、相場が低い時はたくさん買うということになります。結果的に、平均の購入単価を抑えられる可能性が高くなるメリットが生まれ、これを「ドル・コスト平均法」と呼びます。
また、月々1万円でも投資信託の積み立てを始めると、日々の経済ニュースがすごく身近に感じられるようになるでしょう。そこで得た情報や勉強したことが、普段の仕事に役立つこともあるかもしれません。
日々忙しいビジネスパーソンにとって、「お金をうまく貯めなくては……」という意識に振り回されるのは避けたいところでしょう。だからこそ、貯蓄をアウトソーシングすることで、賢いマネーライフを送りたいものです。
(文=西山美紀/マネーコラムニスト)