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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

マンション・戸建て購入は、賃貸より総負担額が安かった!「持ち家は負債」の嘘

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
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 しかし、すべての大家がそのように合理的に考えてくれるでしょうか。連帯保証人がいない高齢者は大丈夫か、年金だけで家賃を払い続けられるのか、居室内での自然死のリスクはないのかなど、不安を感じて入居を拒否あるいは条件を厳しくする大家も少なくないからです。

 大家は借り手を選ぶこともできますから、需要のある場所であれば強気な大家もいます。つまり、自分が住みたい場所では借りられないリスクもあるということです。

 また、賃貸よりも住居費負担は低いケースが多いというのもメリットです。賃貸の貸し手は利益のための賃貸経営ですから、保有コストを補ってなお手取りが残るように賃料を設定します。あるいはそういう場所・金額で取得します。つまり、賃貸物件と同じ条件(場所・広さ・築年数など)では、家賃よりも買ったほうが安くなります。特に低金利の今では顕著です。

 筆者は不動産投資家ですが、

賃料-(ローン返済額+管理費・修繕積立金+固定資産税+火災保険料+将来の修繕費予測額)

 がプラスになる物件を取得します。よって、一般的には同規模同条件物件では、賃貸のほうが割高なのです。もちろん大家によっては現金で購入していたり、相続で引き継いだだけであったり、ローン残債や金利など条件は異なるため、事情も異なります。

 取得時のコストや修繕費がかかるため、持ち家の総コストは賃貸より高いという意見もあります。しかし、家をローンを組んで買うと、条件によって変わりますが住宅ローン減税の対象となり、税金が軽減されます。また、通常は団体信用生命保険に加入しますから、その分、民間の生命保険負担を減らすことができます。

 火災保険も賃貸では通常2年満期ですが、持ち家なら10年満期を選べるため割安です。戸建てなら屋根に太陽光パネルを設置すれば、自宅の電気代が削減されるとともに、10年間の余剰売電収入が得られます。そう考えると、取得時のコストや修繕費は、ほぼ吸収できると考えられます。

投資家目線で物件を選ぶ

 35年も勤める会社が存続するのか、給料がダウンしたり、解雇されたりといった、収入の変動に対応できないのはハイリスクだという意見もあります。それを防ぐために、先ほどのように投資家目線で物件を選ぶのです。

 マイホームを買う時も、前述と同じ計算式でプラスになるような物件を買えば、仮にローンが払えない、転居の必要があるという場合にも、引っ越して貸せば収入になります。これなら身動きが取れないということはなくなり、持ち家であっても賃貸と同じ感覚で住み替えができるでしょう。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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