著名人推薦のオシャレな金融商品が破綻、一人7百万円の巨額損…だからあなたは騙される!
ポンジ・スキームの特徴は、最初のうちは高い実績が出ているように見せかけ、投資をした人には最終的にお金が戻ってこなくなる点にあります。実際には運用でお金が増えていないのに配当をし続けるので当然です。
しかし、本当に運用がなされているか、直接チェックすることはどんな投資商品でも困難です。ワインファンドの場合、実際にワインが収められているカーヴをヨーロッパまで出かけて見学してから買うということは困難です。
また、こうした商品のほとんどはきれいに表面を繕っているので、まっとうな投資商品との違いを外見的に見分けることは困難です。ホームページもお洒落で、雑誌や新聞などで大々的に広告を打ったり、立派なパンフレットやセミナーイベントなどを開催します。
このワインファンドも例外ではなく、「華麗なるフランスワインの夕べ」といったイベントを都内で開催したり、社会貢献活動の取り組みをPRしたり、大口投資家へのワインプレゼント企画や、「ボルドーシャトー巡りツアー」といった現地ツアーを開催するなど、「ちゃんとした会社です」と外面を装っていました。
結果として、ワインファンドの「美しい仕組み」を理解したつもりになっていた多数の人が被害に遭いました。帝国データバンクのリリースによれば、ひとり当たりの被害総額は700万円ほどであり、実際にはそれ以上の金額を投資していたということになります。一口1000万円のワインファンドもあったとされています。
騙される隙は自分にある!
これから投資を考える人にアドバイスしておきたいのは、「自分は騙されない」と思ってはいけない、ということです。自分は騙されない側のひとりである、と思い込むことは、どのような立場であろうともダマされる隙をつくっているからです。
今回のワインファンドに騙された人も、ハイソなイベントや、投資本のベストセラーをいくつも持つ内藤忍氏をはじめとする著名人の推薦などをみて思考停止し、「これはいいものだ」と思ってしまったわけです。
思考停止や盲信は、投資において絶対に避けなければならないことのひとつです。あなたが考えることをストップすることは、相手に利することはあれどあなたが得をすることはないのです。もっと厳しくいえば、「疑い続ける」姿勢が必要です。