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2023.04.09 15:00
2016.04.24 00:12
住宅ジャーナリスト・山下和之の目
マンション、低層階住人が上層階&高額住戸住人の「言いなり」は許される?大規模修繕等で
総会が富裕層に牛耳られる?
そうなると、上層階に住んでいる富裕層の管理組合総会への影響力がたいへん大きなものになります。図表1の通り、30階建てのマンションなのに価格の高い21階から30階までの高層階10階分で、マンション全体の価値のシェアがほぼ50%に達してしまうのです。
よって、上層階の人たちが反対すればなかなか議決できませんし、お金持ちの住民たちに有利な内容は通しやすくなります。
重要な議題への決定的な影響力
マンションにとって極めて重要な問題である建て替えについては、所有者・議決権の5分の4、規約の変更や大規模修繕などについては4分の3の賛成が必要ですが、図表にあるように27階から30階までの上層階の人たちだけで5分の1を超え、26階から30階の人たちだけで4分の1に達します。つまり、わずかこれだけの人たちが大規模修繕や建て替えに反対すれば、議事が進まないことになるのです。
先の超高層マンションの例でみると、2階の50平方メートルを買った人の議決権を1とした場合、最上階の140平方メートルを買った人の議決権は、現在の主流である議決権割合では2.8倍ですが、価値割合が導入されると8.40倍に増加します。もちろん、1世帯1票の世帯割合の議決権だと1になります。
1世帯1票は“悪平等”なのか?
何ごとにつけ分譲時に価格の高いマンションを買える人たちの発言権が強くなり、比較的価格の低い物件しか買えない人たちは、物言えぬ住人になりかねません。
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