現金払いとカード払い、得or損なのはどっち?カード、資産目減りや使いすぎの危険?
人生は決断の連続。その際に大切なポイントは何か。そのヒントをお伝えすべく、『損しないのはどっち?』(幻冬舎)の著者である公認会計士の平林亮子が、お金の観点から、さまざまな「どっち?」を投げかけてまいります。
あなたは現金派? それともカード派?
行きつけのお寿司屋さんのカウンターで、いつもどおり店主と話をしながら楽しい時間を過ごしていたときのこと。ふと、お店での支払方法についての話題になり、店主の口から「(クレジット)カード払いのお客様は、常にカード払い。現金でのお支払いのお客様は、常に現金払い」という言葉が出てきました。
みなさんはどちらですか?
ちなみに私は現金派。クレジットカードを利用しないわけではありませんが、特に知人のお店では、現金で支払うようにしています。それは、一般的に現金払いをするほうがお店のためになるからです。
たとえばレストランを経営している場合に、材料の仕入代金について1カ月分をまとめて翌月末に支払う契約を結んでいたとします。5月の材料代は6月末に支払うということになりますね。
このとき、お客様からの食事代金を現金で受け取ることができれば、5月分の売上によって得たお金を、そのまま6月末に必要になる5月分の材料の支払いに充てることができます。
一方、お客様からの食事代金がクレジットカード決済だった場合、実際にお店の預金口座に振り込まれるのは、クレジットカード会社との契約に基づいて翌月や翌々月になります。
すると、5月分の売り上げを5月分の支払いに充てることができない可能性が生じます。足りない分は、借金をしなくてはならないかもしれません。ビジネスにおいて、「現金を早く受け取る」ということはとても大切なので、私は知人のお店ではできるだけ現金払いを心がけています。
ちなみに上記の理屈からすると、「支払いをできるだけ先延ばしにする」ことにも同様の効果があることがわかりますよね。支払いが先になれば、その分の支払資金を用意する必要がなくなりますから。
この「受け取りは早く、支払いは遅く」というのは、基本的なお金のセオリー。安売店の社長さんが「現金一括で支払うから安く仕入れられる!」などと口にすることがあるのは、そのためです。
クレジットカード払いのほうがお得なのですが
「受け取りは早く、支払いは遅く」は、個人のお金の使い方にも当てはまります。