ビジネスジャーナル > マネーニュース > 現金払いとカード払い、どっちが得?  > 2ページ目
NEW
公認会計士・平林亮子と考える『あなたならどっち?』

現金払いとカード払い、得or損なのはどっち?カード、資産目減りや使いすぎの危険?

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

 たとえば、クレジットカードを利用して支払いを少しでも先延ばしにした場合、カードの引き落としまでの間は、預金口座にお金が多く残ることになります。その残高には利息がつきますから、得になりますよね。

 また、飲み会の席で参加者からの会費を現金で集めて、自分のクレジットカードで支払いをしている幹事さんを見たことがありませんか?

 これは計算上、カードで先延ばしにした自分の会費分に利息がつくのみならず、参加者から現金で集めた分を預金すれば、それにも利息がつきますので、利息の二重取りになるのです。

 個人でも、できるだけ早く現金で受け取って、支払いはクレジットカードで先延ばしにすると、お得になるというわけです。

 しかも、クレジットカードを利用すれば、ポイントやマイルが貯まることもあります。現金払いをするためにATM手数料がかかることもありますが、カード払いであれば、その問題も回避できます。そのため、私の周囲にはクレジットカード派がとても多いです。

 ただし、クレジットカードを利用する場合、一括払いでなければ利息の支払いが必要になることもあります。年会費がかかるカードもあります。それに何より、どれだけ使ったのか管理するのが難しく、ついつい使いすぎてしまうという問題を引き起こしかねません。

 実は、私が現金派であるもうひとつの理由は、カードの利用について管理するのが苦手だからです。飲み会の席で現金を集めて自分のクレジットカードで支払った幹事さんのなかには、一時的に手にした大金で無駄遣いをして、結局カードの決済時に苦労したという人も多いと思いますよ(笑)。

 そのうえ、日本はとうとうマイナス金利時代に突入しました。マイナス金利とは、要するに銀行にお金を預けていると銀行に利息を取られ、残高が自動的に目減りしていくということ。現時点では、個人の預金口座は、マイナス金利とはなっておらず超低金利のままですが、ATM手数料を考えると、実質的にマイナスだと感じている人も多いのではないでしょうか。

 ATM手数料であれば回避する手段もありますが、もしもすべての預金口座に管理料という名の金利を課せられることになったら……。預金を持っているとお金がかかるという社会が遠からずくるのかもしれません。

 ということで、現金派の方もカード派の方も、まずは使っていない預金口座やクレジットカードを整理してみることをおすすめします。お金持ちの方でない限り、どちらも2~3つあれば十分です。
(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表)

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

現金払いとカード払い、得or損なのはどっち?カード、資産目減りや使いすぎの危険?のページです。ビジネスジャーナルは、マネー、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!