現金払いとカード払い、得or損なのはどっち?カード、資産目減りや使いすぎの危険?
たとえば、クレジットカードを利用して支払いを少しでも先延ばしにした場合、カードの引き落としまでの間は、預金口座にお金が多く残ることになります。その残高には利息がつきますから、得になりますよね。
また、飲み会の席で参加者からの会費を現金で集めて、自分のクレジットカードで支払いをしている幹事さんを見たことがありませんか?
これは計算上、カードで先延ばしにした自分の会費分に利息がつくのみならず、参加者から現金で集めた分を預金すれば、それにも利息がつきますので、利息の二重取りになるのです。
個人でも、できるだけ早く現金で受け取って、支払いはクレジットカードで先延ばしにすると、お得になるというわけです。
しかも、クレジットカードを利用すれば、ポイントやマイルが貯まることもあります。現金払いをするためにATM手数料がかかることもありますが、カード払いであれば、その問題も回避できます。そのため、私の周囲にはクレジットカード派がとても多いです。
ただし、クレジットカードを利用する場合、一括払いでなければ利息の支払いが必要になることもあります。年会費がかかるカードもあります。それに何より、どれだけ使ったのか管理するのが難しく、ついつい使いすぎてしまうという問題を引き起こしかねません。
実は、私が現金派であるもうひとつの理由は、カードの利用について管理するのが苦手だからです。飲み会の席で現金を集めて自分のクレジットカードで支払った幹事さんのなかには、一時的に手にした大金で無駄遣いをして、結局カードの決済時に苦労したという人も多いと思いますよ(笑)。
そのうえ、日本はとうとうマイナス金利時代に突入しました。マイナス金利とは、要するに銀行にお金を預けていると銀行に利息を取られ、残高が自動的に目減りしていくということ。現時点では、個人の預金口座は、マイナス金利とはなっておらず超低金利のままですが、ATM手数料を考えると、実質的にマイナスだと感じている人も多いのではないでしょうか。
ATM手数料であれば回避する手段もありますが、もしもすべての預金口座に管理料という名の金利を課せられることになったら……。預金を持っているとお金がかかるという社会が遠からずくるのかもしれません。
ということで、現金派の方もカード派の方も、まずは使っていない預金口座やクレジットカードを整理してみることをおすすめします。お金持ちの方でない限り、どちらも2~3つあれば十分です。
(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表)