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2023.07.03 01:36
2017.10.06 00:50
平野雅章「FP相談1600件でわかった全体最適マネー術」
想像以上に長い老後、想像以上に恐い老後資金不足…女性の半分は90歳まで生きる
支出には住宅のリフォームなど一時的な支出を加算する必要があるだろうし、収入は妻も正社員で働いている期間があれば年金額が増えるため、不足額自体は大雑把なものととらえてほしい。ここで確認してほしいのは、生存している期間を長く想定すると、その分確保しなければならない老後資金額も増えるということだ。
私の相談者は優良企業に勤務している人が多く、収入水準は平均より明らかに高いのだが、シミュレーションを行うと現状のままでは老後資金が不足すると推測される人が多いのが実情である。教育費の負担が重く十分な貯蓄や住宅ローンの繰り上げ返済ができないまま60歳の退職を迎え、再雇用後の給与の大幅な低下と住宅ローンの返済により65歳までに退職金がかなり減ってしまうというのが、典型的なパターンだ。
65歳以降を老後と考えるならば、95歳まで生存すれば老後は30年もの長期間になる。老後資金を考えるときは、あなたが思っている以上に「老後」が長いことを意識し、iDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、少額でもなるべく早くから老後資金を貯めていくことが現実的な対策といえよう。
(文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
【註1】
出所:厚生労働省 報道資料 2017年1月27日「平成 29 年度の年金額改定についてお知らせします」
夫が平均的収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)42.8 万円)で 40 年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯が年金を受け取り始める場合の給付水準。
【註2】
出所:総務省統計局 「家計調査(平成28年平均速報結果)」
高齢夫婦無職世帯とは夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯、高齢単身無職世帯とは60歳以上の単身無職世帯である。
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