マンション価格、そろそろ天井? 直近4年で770万円も値上がり
低金利政策と不動産市況
不動産市況において低金利は投資の呼び水となるので、かなり重要なポイントです。15年の秋から年末にかけて、ちょうど横浜郊外のマンションの杭問題などが出た頃に、不動産市況が停滞する兆しが出ていました。
しかし、日銀による国債大量購入や、その数カ月後に「マイナス金利政策」が発表されたことなどがあって、落ちかけた景況感が持ち直しました。このように、かなりの影響力を持っています。
私は、不動産の好況状態はオリンピックまでの間ずっと続く感じはなく、18年に入ってから一服するという見通しを立てていました(18年半ばから1年くらいの一服のあと、再び上昇するという予測)が、現在の好況感のままオリンピックを迎える可能性も出てきました。
消費税増税と不動産市況
また、今回の選挙の争点は、あまり大きな話題になりませんでしたが消費税増税の使い道についてでした。選挙結果から信任されたということになるので、使い道の前に、まず19年10月に予定されている消費税増税が行われることが、よほどのことがない限り確実となりました。
報道によると、安倍首相は支持率低下につながる消費税増税は行いたくはないようですが、すでに2度も延期していますので、「今回は上げざるを得ない」状況にあるのでしょう。
19年の消費税増税は現状8%が10%になります。5%から8%に上がったのは、すでに3年以上前の14年4月ですが、13年春から秋にかけて不動産購入、建築請負契約の増加など、駆け込み需要が旺盛となりました。この時は1997年以来久しぶりの増税だったこと、また8%と10%の2段階の増税があらかじめ予定されていたこともあって、かなりの駆け込み需要が起こりました。
図1は住宅着工件数の推移ですが、13年は前年対比+11%、翌14年は反動減で-9%となっています。19年10月の増税においては、このときほどまでの駆け込み需要はないとしても、ある程度は予想されます。おそらく、+5%程度はあると思います。18年秋頃~19年3月くらいまでの間にプラスの状況になり、その後19年秋~20年初め頃までは反動減が予想されています。
しかし、これはあくまでも住宅着工の数であって、不動産市況においては19年後半もいい状況が続くと思われます。