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2023.06.27 00:33
2017.11.19 16:45
「吉崎誠二のデータで読み解く 住宅・不動産市況の裏側」
マンション価格、そろそろ天井? 直近4年で770万円も値上がり
黒田総裁が就任して以来、13年からの異次元緩和政策により不動産価格は上昇を続けています。「黒田総裁続投なら緩和路線が継続となり、資産バブルや財政規律の緩みといった副作用が生じる恐れがある」という声も聞こえます。専門家のなかには、「緩和を抜け出す出口戦略を探るべきだ」という声もあるようですが、今回の選挙、いまのムードではこうした声はかき消されていくことだと思います。
つまり、「しばらく不動産市況はいい感じが続く」と言えそうです。少なくとも消費増税まではその流れが続くでしょう。
高止まりが続く都市部の不動産市況
では、傾向がはっきりと出やすい中古マンションの価格推移から不動産市況を見てみましょう。
図2は、リーマンショック後から17年9月(最新データ分)までの首都圏における中古分譲マンションの平方メートル単価(成約ベース)の推移です。
これを見ると、13年年初頃からの値上がりが一目でわかります。13年1月から17年9月までの間に、平方メートル単価で約11万円、一般的なファミリーユースの70平方メートルに換算すると約770万円も値上がりしています。このデータは首都圏全般のデータですから、都心一等地や人気のエリアではこの倍以上の値上がりだと思われます。
図3は、近畿圏のデータです。こちらは、データ取得の関係で11年からとなっていますが、こちらも13年年初頃から上がり始め、現在までの間に平方メートル単価で約6.4万円、 70平方メートル換算で約500万円の値上がりとなっています。首都圏と同じように大阪中心街等は倍以上の値上がりだと思われます。
マンション価格は天井か?
以上見てきたように、この4年半の間にマンション価格は大きく上昇しました。「そろそろ天井か?」という声は、毎年のように聞かれてきましたが、吹き飛ばすように上昇を続けています。
前半で述べたように、「金融政策の現状維持」の様相を加味すると、まだまだマンション価格は上がる気配だと言っていいようです。
(文=吉崎誠二/不動産エコノミスト、社団法人住宅・不動産総合研究所理事長)
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