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平林亮子と徳光啓子の「女性公認会計士コンビが教える、今さら聞けない身近な税金の話」

わざわざ確定申告して「税金が安くなる」方法!

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士
わざわざ確定申告して「税金が安くなる」方法!の画像1「Gettyimages」より

 今回は株の配当金税金について、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が解説していきます。

亮子「配当金って、なんだかボーナスみたいで嬉しいな」

啓子「株を保有している際に受け取れる配当金ですか?」

亮子「そう。もちろん、そんなに多額の配当金を受け取っているわけではないけれど」

啓子「配当金にも税金がかかりますから、手取りはさらに少なくなりますしね」

亮子「NISA口座であれば、配当金も課税されないけれどね」

啓子「それでは、少しマニアックな内容になりますが、その配当金に関する税金に注目してみましょう!」

配当金にも税金がかかる

 日本には数え切れないほどの株式会社があります。事業の資金を調達するために「株式」という権利を発行して成立している会社を株式会社といいます。いわゆる「株」とはこの「株式」という権利のことで、株式を保有している人を「株主」といいます。株式会社のビジネスがうまくいって利益が出た場合、株主に還元する(お金を支払う)ことができます。こうして株主に支払われるものが「配当金」です。

 配当金には所得税と住民税が課せられますが、以下、上場企業の株に対する配当金を前提に話を進めます。所得税と住民税はあらかじめ差し引かれ(源泉徴収され)、残額が株主の手取り額となるわけですが、その税率は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)。なお、復興特別所得税は平成49年12月31日までの間に生じる所得について課せられることになっており、通常の所得税や住民税と合わせて源泉徴収されます。

 例えば、保有しているA株の配当金が20,000円だったとしましょう。差し引かれる税金は、20,000円×20.315% =4,063円となります。その結果、手取り額は、20,000円 - 4,063円 = 15,937円となります。

 源泉徴収するのは、配当金を受け取る個人が税金を計算して納税すると、大変な手間と時間がかかるためです。また、計算誤りや納税漏れ等も考えられます。そのような問題点を解消するため、配当金に関してはもとから税金を徴収して入金をするという方式がとられています。なお、源泉徴収によって納税は済んでいますので、個人の株主の配当金に関する確定申告は必須ではありません。

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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