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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

30代独身女子、マイホーム購入で注意すべき3つのリスク…銀行の無理なローン設定に要注意

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

首都圏の新築マンション契約者の約1割はシングル

 マリコさんに限らず、以前からシングルでマイホームを購入する人は一定数いる。株式会社リクルート住まいカンパニーが首都圏の新築分譲マンション契約者を対象にした調査によると、2017年の契約者全体のうち、子どもあり世帯が45.4%と約半数を占めているのに対し、シングル世帯は9.9%(男性5.2%、女性4.8%)。

 2001年から時系列に主な契約者世帯の状況をみると、シングル世帯は最も高かった2004年の14.9%(男性7.2%、女性7.7%)に比べると減少しているものの、ここ数年は、契約者のおおむね1割程度を占めている。

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シングル女性は、老後の安心のために“終の棲家”を持っておきたい

 同調査における購入理由について見てみると、契約者全体では「子供や家族のため、家を持ちたいと持ったから」(約43%)が最も多い。続いて「現在の住居費が高くてもったいないから」(約32%)、「金利が低く買い時だと思ったから」(約25%)となっている。購入理由をライフステージ別にみると、シングル世帯では「金利が低く買い時だと思ったから」「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」が全体に比べて高くなっている。

 さらに、シングル女性世帯で最も多い理由として挙げられるのは、同率首位で「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」(33%)「老後の安心のため、住まいを持ちたいと思ったから」(33%)の2つ。これらは、前年より5ポイント以上増加している点も特徴的で、とくに女性の場合、後者の理由の比率が男性より高い。

 一般的に、購入者の多くは30代以降だが、若くても老後を意識する人が増えてきたということだろうか。もしくは、仕事や恋愛、結婚など、さまざまな可能性や選択肢があるなかで、恣意的に選択でき、確実に自分の手元に残るマイホームという資産を持つことが絶対的な安心感につながっているのかもしれない。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
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