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なお、今年4月からの消費増税における逆進性対策として低所得者給付が打ち出されている。しかし、これは住民税非課税世帯が対象となっていることに問題がある。なぜなら、所得は少なくても貯蓄の多い世帯にまで給付してしまう可能性があるからである。したがって、逆進性対策として今後も住民税非課税世帯向け給付に頼るのは危険であろう。
結局、内閣府が公表している経済財政の中長期試算を考えると、消費税率を10%まで上げてもプライマリーバランスの20年度黒字化は困難であり、さらなる消費増税は不可避な状況である。ただ、さらなる消費増税を実施してもコストが低く公平性の高い逆進性対策を併用すれば、その後の消費増税も実施しやすくなるが、逆に逆進性対策をせずに国民の不満を高めてしまうと、その後の消費増税が政治的に困難になる。そういう意味でも、消費増税時の逆進性対策には慎重な対応が必要であると考えられる。
(文=永濱利廣/第一生命経済研究所 主席エコノミスト)
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