笑顔を意識するだけで、逆境からの脱出につながる
–なるほど。確かに、客観的に状況が見えてきました。
山口 問題をバラバラにしたら、次はカレンダーのページに予定をびっしり書き込んでいきます。入れる予定は、「自分が抱えている問題にとって、役に立ちそうな活動」と「自分の視野を広げるための活動」の2つです。
この段階では、とにかく予定をたくさん入れることが大切です。「こんなことをやっても無駄じゃないか」と悩む必要はありません。特に大切なのは、「人に会うこと」です。どんどんアプローチして、予定を入れてください。
予定をびっしり書き込んだら、あとはその通りに行動します。予定をこなせなかったり、望んでいた成果が得られなかったりしても、クヨクヨする必要はありません。淡々と、手帳に書いた予定を実行することに専念してください。そして、どんどん外に出て、人に会ってください。
–手帳を使って、新しい考え方や人間関係、行動パターンを手に入れるということですね。
山口 そうです、シンプルでしょう? しかし、効果は絶大です。確実に、一歩踏み出すことができます。ただ、肝心なのは笑顔を忘れないことです。それも、えくぼができるほどの笑顔を意識してつくってください。笑顔で活動的に過ごしている人のところには、さまざまなチャンスが訪れます。不思議に思うかもしれませんが、世の中はそういうふうにできているのです。
–笑顔になるだけでチャンスが訪れるのですね。なんだか、勇気が湧いてきます。その結果として、逆境を抜け出す方法を見つけることができるのでしょうか。
山口 必ず見つかります。逆境の時は、たくさんの問題が一気に降りかかってくるので、多少は骨が折れるかもしれません。しかし、大丈夫です。それぞれの問題を、どんな方法で解決していけばいいのか、その道筋が見えてきます。何より、自分に自信を持てるようになります。
–ありがとうございました。
山口氏は7月に著書『逆境の教科書 ピンチをチャンスに変える思考法』(集英社)を出版しました。同書には、経営していた会社を経理担当役員に乗っ取られ、一晩で全財産を失った経験なども書かれています。資産ゼロからの再出発……、なかなか読みごたえがありそうです。
現在、山口氏は出版を記念して無料コンサルティングも実施しています。今、苦しい状況に見舞われている人は、山口氏に相談してみるのもいいかもしれません。今回、お話をうかがっているうちに、なんだか筆者も逆境や失敗が怖くなくなってきました。逆境を乗り越えることで、自分がアップデートできるのであれば、むしろ「Come on 逆境!」といったところでしょう。
(構成=木ノ下瞳子/ライター)
【山口伸廣氏プロフィール】
実業家/逆境コンサルタント。数々の逆境を乗り越えて事業を拡大。現在、経営する会社は10社以上。