積極的に育児に携わる「イクメン」という言葉が定着しているように、夫は仕事をして家にお金を入れていればOK、育児は妻にお任せ、が許されていた時代は終わり、今はお父さんも子育てに関わることが当たり前になりつつあります。
でも、男性にとって子育てはやはり不慣れなもの。子供にどんな接し方をしていいかわからずに悩んでいる人は多いかもしれません。
「おっぱいはお母さんでなくてはあげられません。いつも子供に寄り添ってこまやかな愛情をかけるのも、どちらかというとお母さんの得意分野でしょう」と語るのは、『お父さんのための子育ての教科書』(ダイヤモンド社刊)の著者で、教育研究家の七田厚さん。
しかし一方で、七田さんは「父親にしかできない育児」もあるとしています。
■お父さんの育児は「量より質」
「父親にしかできない育児」のキーワードとして七田さんがあげているのが「量より質」です。共働きの家庭が増えているとはいえ、どうしても父親の方が労働時間が長く、子供と過ごせる時間が少なくなりがちですが、そのぶん過ごす時間の質を高めることが大切なのだとか。
その一つが「子供の心に残るエールを送ること」です。
誰でも親からかけられた言葉で、大人になっても覚えていたり、生きる支えになっている言葉があるもの。そんな言葉を子供にかけてあげるのはお父さんの大事な役割なのです。
たとえ仕事が忙しく、一緒に過ごす時間が少なくても、子供のことをよく見ていればどんな長所を持った子か、どんな性格をしているかわかるはず。かっこいいことを言おうと気負う必要はありません。父親の目から見た子供の可能性を言葉にしてあげればいいのです。
■遊びにひと工夫加えることで子供に学びを
また、子供と遊ぶときにも「質」を高める秘訣があるのだとか。
子供は遊びを通して言葉を覚えたり、体の使い方を身につけたり、ルールを守る大切さを知ったり、さまざまなことを学びます。子供にとって「遊び」は「学び」なのです。だからこそ、漫然と遊ぶのではなく、子供の学びがより大きなものになるように工夫してみるのがポイント。
たとえばしりとりをするのでも、少し年齢があがってきたら「三文字の単語」「部屋の中にあるもの」などに限定するなどひねりを加えると、子供は楽しみながら自然と語彙力や言語能力を身につけていくはずです。
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本書ではこの他にも、お父さんだからこそできる子供への接し方や子育ての取り組み、そして子供を自立した人間に育てるためにやるべきことについて、教育者として、そして、三人の子育てを経験した一人の父親として自身の教育論を明かしています。
子育ての負担は夫婦で分け合うべきですが、子供への接し方は父と母それぞれに役割が違うものなのかもしれません。父親として子供への接し方に悩んでいる人、どんな子育てをすればいいかわからない人は、本書を読めば今後の子育ての指針が定まると同時に、その中での自分の役割についても見えてくるはずです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。