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広木隆(マネックス証券チーフ・ストラテジスト)

スマホで浮気発覚増加?でガラケー復活説も!?

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スマホで浮気発覚増加?でガラケー復活説も!?の画像1「Thinkstock」より
 国内系、外資系運用会社を渡り歩き、株式投資の最前線に20年以上携わった後、現在はマネックス証券チーフ・ストラテジストを務める広木隆氏。そんな広木氏が、気になる旬のテーマを通じ、ビジネスの本質に迫る。

●結婚相手にしたい人気企業1位は? ー マイナビニュース(1月16日)

「任天堂が1位、ANAが2位」記事の内容はどうでもよい。気になったのは「結婚相手にしたい人気企業は?」という見出しの表現だ。無論、正確には「この企業に勤めている人と結婚したい」ランキングである。「結婚相手にしたい企業」といったら、まるで「企業と結婚」するみたいに聞こえるではないか。別に企業を擬人化しているわけではなく、しかし、この表題には半ばそのような意味が込められているとも読める。このご時世、勤めている企業で結婚相手を選ぶ、という女性がいても不思議ではない。例えば、このニュース。

●女が結婚相手に望む「年収600万円」は独身男の5.7%だけ ー ガジェット通信(2012年9月15日)

 つまり、それなりの、チャンとした企業に勤めている人と結婚したいということなのだ。日本は先進国では異例の専業主婦志向が強い国で、女性は男性に経済力を期待する。ところが、そこにミスマッチが生じている。この記事によれば、年収600万円以上を稼ぐ独身男性の割合は、わずか5.7%にすぎない。これでは晩婚化が進む一方である。デフレが若者の雇用を奪い、デフレで給料が上がらないため結婚もできない。デフレが少子高齢化に拍車をかける一因となっているのだ。

 今の日本はそんなありさまだが、一方、昔の日本女性はタフだった。例えば与謝野晶子。夫・鉄幹の詩はまったく売れない。夫の収入をあてにせず孤軍奮闘、片っ端から仕事を引き受け、10人以上の子供を産んで育てたという。その与謝野晶子の未発表の歌が発見された。

●与謝野晶子の未発表短歌発見 直筆原稿、岡山・倉敷で ー 朝日新聞デジタル(1月9日)

 遺族から市に寄贈された書簡から見つかったということだが、しかし今後は、このような貴重な発見も、そうそう起こりにくくなる。いまや書簡のほとんどが電子メール。「物理的な」書簡の存在自体がないからだ。偉大な作家がメールで「書簡」を残したとして、後世になってそれがどのように「発見」され得るのだろうか。

●ネット時代の新たな問題ー誰が死者のアカウントを管理するのか ー ウォール・ストリート・ジャーナル(1月7日)

 SNSなどはまだいい。問題は、電子メールやクラウドで管理されているドキュメントの類いである。ハードディスクではなく、例えばGoogleドキュメントやエバーノートなどWeb上のストレージで文書やデータの保存・管理をしている場合、それらの文書は当人が亡くなったら(パスワードを解読しない限り)決して日の目を見ないことになる。一方、こうしたデジタル化が進んだことによって、かえって簡単に露見する秘密もある。

●浮気で失脚のCEOが増加ー重役室に何が起こっているのか ー Bloomberg.co.jp(2012年11月14日)

「電子メールやメッセージの利用も問題の発覚を容易にしている」と記事にある。ならば、そういう米国企業のCEOに、日本のガラケーを教えてあげよう。ガラケーの語源は、いわずもがな「ガラパゴス携帯」である。日本メーカーが技術にこだわるあまり、日本の国内だけで独自の進化発展を遂げてきた。先進的な機能がありながら、海外では普及しなかったわけだが、国は違えど男女の事情にさしたる変わりはない(男女の事情を「情事」という)。そこに目をつけたマーケティングをしていたならば、日本のケータイも「ガラパゴス化」しなかったのではなかろうか。詳細は、こちらの記事を。

●日本の「浮気携帯」 スマホ台頭でも根強い人気 ー ウォール・ストリート・ジャーナル(1月7日)

 この記事のなかで、「タイガー・ウッズの携帯電話にこのプライバシーモードがあったら、トラブルにはならなかっただろう」と夏野剛氏はコメントしている。タイガー・ウッズをCMに起用し、この機能を宣伝すれば、日本のガラケーも再び世界を狙えるのではないか?

 あれっ? そういえばスマホと2個持ちしている筆者の携帯も、富士通の「Fシリーズ」だ。いやあ、まったくの偶然、そんな機能があるなんて知らなかったなあ……。

 ハイテク化して便利になるのも不都合な面がある。

 例えばパソコンのオートコンプリート機能。キーボードで入力する際、過去の履歴から次の入力内容を予想し、あらかじめ表示する機能である。メールの送信先を入れる場合でも、アルファベットを1文字打てば、よく使用するアドレスが一覧で表示され、非常に便利である。便利であるがゆえに、それに慣れると思わぬトラブルを起こすことになる。

 筆者の知り合いで、プライベートのメールを自分の勤務先の部のメンバー全員に誤って送信してしまった男がいる。彼は毎日、個人のメールアカウントから、所属する部のグループアドレスに頻繁にメールを送っている。携帯電話の番号もそうだが、メールアドレス自体を記憶からたどってタイプするという行為が忘れられて久しい。大抵は履歴から選択するだろう。それはもう、「機械」と「指」の記憶任せだ。だから、彼の場合も、無意識に「指」が選んでしまったのだ、会社のグループアドレスを。

 彼が誤送信したメールは、よりによって不倫相手に送るはずのものであった。しかも、別れ話がこじれて修羅場と化していた時のやりとりで、ドロドロの内容だった。彼の不倫相手は社外の女性だったため、会社で問題になることはなかったのが不幸中の幸いだが、兎にも角にも恥ずかしいやら気まずいやら、会社の同僚に合わせる顔がない。しかし、彼の職場の同僚はみんな優しい大人で、何事もなかったように彼に接してくれた。そんな同僚の温かい配慮に、彼は感謝の気持ちでいっぱいだ。ちょっとそそっかしいその彼と、彼の優しい同僚が勤務する会社が「結婚相手にしたい企業ランキング」に入るといいのに。

 人生の伴侶を選ぶなら、人生の機微がわかる人がいい。

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BusinessJournal編集部

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