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本命ローソン選定漏れで話題のなでしこ銘柄により、企業の女性活用が再びブーム?

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東京証券取引所ビル
(「Wikipedia」より)
「ダイバーシティ」、といっても東京・お台場にあるショッピングセンターのことではない。日本経済のV字回復のカギとして、「多様化」を意味するダイバーシティ(diversity)への取り組みが盛り上がってきた。本来の言葉の定義は「男女、年齢、国籍などの枠を取り払って、社会を活性化しよう」というものだが、最近は特に「女性の活用、戦力化」という意味で使われることが多い。

 日本社会で女性の活用が注目を集めだしたのは、きのう、今日のことではない。毎年発表される男女間の待遇にどれだけギャップがあるのかを調査した「ジェンダーギャップ 世界ランキング」では、2012年の日本の順位はなんと101位。前年の98位よりさらにダウンした。中国、韓国よりも男女間のギャップが大きいとされているのだから驚く。

 4月、自民党の野田聖子総務会長が外国特派員協会の講演で、日本は先進国の中で一番、女性の活用ができていないとして、女性に国会議員の議席数を割り振る制度の導入や、企業の新入社員の4割を女性にする法律といったアイデアを披露してみせたのも、そういう背景があるからだ。

 こうした空気をいち早く読んだ経済界の動きは急ピッチだ。東京証券取引所(東証)の進める「なでしこ銘柄」選定はその一例だろう。東証上場2200社を対象に管理職に占める女性の割合、育児支援の実態などをポイント化して100社を選び、さらに絞り込んで17社を「なでしこ銘柄」とした。女性の活躍度、つまり「なでしこ指数」の高い企業は幅広いニーズに対応した製品やサービスを生み出せることになり、グローバルな競争力を強化できるというのだ。東証は、企業を「なでしこ銘柄」とブランド化することで、投資価値のある企業として推薦したことになる。

 この結果、東レ、ダイキン工業、積水ハウス、KDDIなど17社が選ばれたのだが、この選に漏れた企業、なかでも女性活用では先進企業と目されてきたローソンが涙をのんだのは意外だった。なにしろ女性役員の数は3人、新卒採用では女性の数が男性を上回っており、商品開発のトップが女性というのもよく知られた事実だ。押しも押されもせぬ「なでしこ銘柄」の本命筋だったのである。ローソンの落胆は尋常ではなく、その後、新浪剛史社長からは社内に「なでしこ入り」の特命が下ったと伝えられる。

 ローソンの落選は1業種1社という選び方や、株主資本利益率をはじめとする財務面の数字も影響したようなので、ことさらローソンが女性活用に後れを取っていたというわけではない。しかし、「なでしこ銘柄」を契機に、女性社員の活用、女性の戦力化に頭を抱えている企業が少なくないこともはっきりしてきた。戦力化にあたっては、仕事とプライベートのバランス、やりがい、自分らしさの自問自答など、女性特有の不安や悩みが大きいということがわかってきたのだ。その結果、従来の男性社員と同じような育成方法ではなく、女性社員だけを対象にした教育研修プログラムを開発する企業も増えているという。

●キャリアブランディングを支援する新たな取り組み

「なでしこ銘柄」と同様、個人のブランド化(ブランディング)をはかって、女性の活躍の場を広げようと、「社団法人キャリアブランディング協会」(東京・青山)という団体が発足した。リクルート出身の同会代表理事・勝谷桂子氏に話を聞いた。

「人が働くというのはいかに生きるかということ。その人にふさわしい天職を見つけるのは人生で特別な意味を持っている。当協会の役割は、そのための知識、スキル、ノウハウ、人脈といったインフラ、環境をととのえ、天職につないであげることだ」(勝谷氏)。

 入会したら、その人の強みを1年間かけて最大限に引き出して送り出す。カウンセリングと知識講座を組み合わせて「ブランディング」するわけだ。対象はキャリアアップしたい女性と、就職を控えた大学生。似たような仕組みはよそにもありそうだが、違うのは「リクルート流」だと勝谷氏は強調する。

 つまり、目標と成果を曖昧にしない。だから、「就職の面倒まで責任を持つ」ことも考えている。同協会のプログラムをしっかりクリアできた人は一部上場企業など有力企業などにつないでいく計画だ。自力で事業を起したいというのであればそれも応援するという。専門家を揃えて起業を支援するシステムも用意する。