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仕事と人生を面白くする 氏家秀太の『上位3%がしている、仕事のカンの磨き方』 第5回

左右の不思議 なぜデートで男性が右側に座る?頼み事は右耳に話しかけると通りやすい?

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「Thinkstock」より
 男性と女性が並んで座る時、男性は左右どちら側に座るだろうか?

 東京、名古屋、大阪の居酒屋で、カウンター席に着いた300カップルについて調べてみた。その結果、82%の男性が右側に座った。また、街中でデートしているカップルを観察すると、女性が左側を歩いていることが多い。女性たちに意見を聞いてみると「自分が左側にいたい」との回答が大半を占め、意図的に男性が右、女性が左の配置になっているとわかる。ではなぜ、男性が右側になるのだろうか。

 そこで今回は、その理由について調べてみた。

 もっとも、同じような類いの調査は以前から数多く行われており、どの調査でも多くは男性が右側、女性が左側との結果が出ている。その主な理由としては、

・男性が右のほうが落ち着く
・ドライブでも男性が右(運転手)だから
・男性は利き腕を自由にしておきたいから

などだ。特に、男性に守ってほしいと思っている女性ほど左側に位置する傾向があるようだが、立ち位置には力関係や優位性などが影響しているのだろうか。

 その疑問について調べるうち、歴史、心理学、脳科学などで「右側優位説」が多く存在することがわかった。

 まず、中国の儒教では、左より右が尊ばれていたようだ。日本では古代、左が尊ばれていたが、儒教の思想に影響を受けて右を尊ぶようになったといわれている。「右へ倣え」「右に出る者はいない」などの慣用句でも、立場的に右を上に見る考えが根底にあることがわかる。ちなみに、飲食店では洋の東西を問わず、右側からサービスすることがマナーとされている。

 古くから、男性は利き腕側(多くは右腕)を空けるように意識して、左に女性を置くとの習慣はあったようだ。つまり、右手で不意の事態に備え、左手でかよわい女性を守るということだ。また、心理学的には、大事な心臓側、すなわち左側に置く人は自分にとって信用できる味方や心からリラックスできる相手であるとも言われている。

●右から声をかければ要求が通る?

 次に、脳科学の見地から見てみよう。会話をする時に、左耳で聞いた声は情緒を司る右脳に届き、右耳で聞いた声は理性を司る左脳に届くといわれる。脳の左半球は、言語の大部分が処理されている領域なのだ。

 それを裏付ける、面白い実験結果がある。騒々しいダンスクラブで、大音量の音楽に声をかき消されないように女性はぴったりと身を寄せ、男性の耳元で「煙草を1本いただけない?」と頼む。これを男性の左側と右側から声をかけ、その違いを検証したというものだ。

 煙草を差し出した男性は、

・左から声をかけた場合…88人中17人
・右から声をかけた場合…88人中34人

 つまり、右から声をかけたほうが、2倍も要求が通りやすかったのだ。要するに、右耳で聞き取った情報のほうが脳で受け入れやすい傾向があるということだ。

 単純に考えれば、人に何かを頼む場合には、右耳から話しかければ受け入れてもらえる可能性が高いことになる。これはビジネスの場でも応用できる。事実、トップセールスマンは、意識的に右側からターゲットに声をかけるという。

 このように、相手に何かを頼むときは右側から声をかけることを意識するといいだろう。
(文=氏家秀太/空間プロデューサー・ビジネスコンサルタント)