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大野智「医療・健康情報のウソ」

健康食品の機能性 ネット検索すると正確な情報はたったの0.02%!どうすればよい?

文=大野智/医師、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄付講座准教授
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 はじめまして。大阪大学の大野智(おおのさとし)と申します。人気アイドルグループ「嵐」のリーダーと同姓同名ですが、似ても似つかないまったくの別人です。

 まずは、簡単に自己紹介をさせてください。1998年に島根医科大学を卒業後、消化器外科を研修していましたが、縁あって2002年に金沢大学に日本で初めて新設された補完代替医療学講座に赴任することになりました。同時にがんの代替医療の科学的検証に関する研究班に参画し、健康食品を用いた臨床試験を実施したり、補完代替医療のガイドブックを作成したりしました。現在は、厚生労働省「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」にて、「統合医療」情報発信サイトの作成にも取り組んでいます。

 医師としての診療に関しては、一貫してがん患者の診療にあたってきています。また、最近では、「医療・健康情報の見極め方」「補完代替医療との向き合い方」などをテーマに、医療系の大学・大学院で学生講義を行ったり、がん患者会の勉強会などの講師として招かれたりする機会が増えてきました。

 この連載では、筆者自身のこれまでの経験を踏まえ、医療や健康に関する正確な情報を入手し、正しく読み解くための、コツやノウハウについて紹介していきたいと考えています。

ランダム化比較試験

 でも、「そのようなことを教えてもらわなくても、グーグルなどの検索サイトで調べれば、情報なんてすぐに入手できる」と思っている人もいるかもしれません。確かに、情報はすぐに入手できます。ですが、その情報量は莫大なうえに、不正確な情報も混じっているのが現状です。具体的な例を挙げてみます。

 グーグルで「グルコサミン、膝」で検索すると、10月4日現在36万3000件の情報がヒットします。ちなみに、1件あたり1分かけて見たとすると、すべてのページを確認するのに2年ちょっとかかります。これは、現実的ではないですよね。
 
 グルコサミンが膝によいのかどうかを判断したい場合、医学・医療分野での標準的な考え方は「ランダム化比較試験で有効性が証明されている」かを調べることになります。ちなみに、ランダム化比較試験とは次の図に挙げるような研究方法です。

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大野智/医師、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄付講座准教授

大野智/医師、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄付講座准教授

大阪大学大学院医学系研究科 統合医療学寄付講座 寄付講座准教授

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