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三菱重工の原発技術、中国企業へ流出の恐れ 政府の圧力で「巨費をドブに捨てる」投資か

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三菱重工本社ビル(「Wikipedia」より/Kakidai)
「国家と共に歩んできた」と自負する三菱重工業は、日仏両国政府の顔を立てれば高い代償を払うことになる。

 安倍晋三首相は10月5日、来日した仏マニュエル・バルス首相と会談し、日仏の原子力協力の推進で合意した。バルス首相は同国の原子力大手、アレバが経営難に陥っていることから、アレバと新型原子炉で提携する三菱重工に出資を求めた。

 三菱重工、アレバの両トップも参加した会合で、バルス首相は「日本の原子力産業がフランスの(原子力の)再構築に参加してほしい」と要請した。

 原発輸出を成長戦略の柱に掲げる安倍首相はもとより、経済産業省も当然のことのように、アレバへの出資を促している。

 窮地に立たされたのが三菱重工だ。造船事業の巨額赤字や日の丸旅客機(MRJ)の開発難航で、他社を助ける余裕はない。しかし、国策を忠実に実行してきた三菱重工は官邸や経産省の意向を無視できる立場にはない。

 三菱重工は持ち株会社アレバ本体と原子炉製造子会社アレバNPへの出資に向けて、具体的な検討を迫られることになった。

経営危機に陥った仏アレバ

 三菱重工の仏アレバへの出資は「ドブに捨てるようなもの」との辛辣な声が証券市場から挙がる。巨額の赤字を垂れ流し続けているアレバは、再建のメドがまったく立っていないからだ。

 世界の原子力プラントメーカーは東芝・米ウエスチングハウス連合、三菱重工・仏アレバ連合、日立製作所・米ゼネラル・エレクトリック(GE)連合が大手3社といわれてきた。この関係が暗転するのは2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故からだ。

 原発事故後、日本や欧米では太陽光など再生可能エネルギーの導入の機運が高まる。アレバは先進国で原発見直しの動きが出ていることに加え、フィンランドなどで建設中の新型の原子炉EPR(欧州加圧水型炉)でトラブルが続き、完成が大幅に遅れた。このため4期連続の最終赤字に陥った。14年12月期の赤字は48億ユーロ(約6400億円)、過去4年間では計78億ユーロ(約1兆500億円)巨額赤字を計上した。

 仏大統領府は約40万人の原子力関連産業の雇用を守るため、政府主導でアレバを救済する方針を打ち出した。仏電力公社(EDF)が原子炉製造などを手掛けるアレバNPの株式を過半数取得して傘下に置いたうえ、政府がアレバ本体への資本注入に応じた。アレバ、EDFとも政府が株式の8割以上を保有する。