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ツタヤ図書館、契約ずさんとして住民が訴訟!市が住民の情報開示要求を拒否!深まる不信

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

(3)住民監査請求もできない

 市政運営などで不正行為の疑いがある場合、住民が不正を正す「伝家の宝刀」として設けられているのが、住民監査請求である。

 武雄市図書館のケースでは、市が開示したCCCとの契約内容を精査した市民が「あまりにもずさんな手続きによって結ばれた契約だ」として、今年6月に監査請求を行ったところ、市は法定期間(その事実が発生、または知ってから1年)が経過していることを理由として、2週間後に請求を却下している。監査請求の基になった契約内容に関する情報を2年も開示しなかったうえに、「1年経過したら監査請求できない」とは、あまりにも手前勝手すぎる。

 そのため市民たちは、当時の市長に対して1億8000万円の損害賠償を求める住民訴訟を提起した。

 このケースでは、指定管理が始まる前に武雄市がCCCと交わした契約そのものが監査請求の対象だが、指定管理が始まってから指定管理者が不正行為を行った場合、監査請求を行うことはできるのだろうか。

 その場合、住民監査請求を定めた地方自治法242条1項が規定する財務会計上の行為に当たらないため、対象外となっている。請求したとしてもすぐに却下され、それ以上追及できないのが実情だ。この点も、制度に穴があるとしかいいようがない。

(4)利益が出ないため周辺事業で儲けようとする

 指定管理者による公共施設の管理運営においては、毎年各事業者について業務の評価を行うのが一般的だが、業務の評価が低かったとしてもペナルティーが課せられるわけではない。

 逆に、指定管理者サイドからみれば、いくらがんばっても委託管理料が増えるわけではないため、できるだけ費用を抑えて利益を確保しようとする。

 特に図書館のように利用者から料金を徴収できない施設の運営においては、その傾向が顕著だ。ちなみに、武雄市図書館を例に取ると、13年の開業時に募集した「書籍コンシェルジュ」のアルバイト(蔦屋書店との共通募集)の時給は730円。海老名市立中央図書館の求人を見ると、フルタイムの司書スタッフは「月給19万3000円以上」だ。

 また、普通にやっていたのでは儲からないため、ツタヤ図書館のように併設した店舗で儲けるビジネスモデルが出てくるのは、ある意味必然といえるだろう。

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