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小薮浩二郎「食品の闇」

梅干しは危険!食べてはいけない?非表示の合成保存料が添加

文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問
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梅干しは危険!食べてはいけない?非表示の合成保存料が添加の画像1「Thinkstock」より

 今回は表示を見ても添加物か否かわかりにくい、ビタミンについてお話ししましょう。

 ちなみにビタミンは、食事で摂取するのが望ましいです。魚、肉、野菜、果物などをバランスよく食べることです。肉はコレステロールや脂肪が少ないものを食べましょう。どうしても不足する場合は、信用できるメーカーのビタミン剤で補うか、または病院を利用しましょう。加工食品にビタミンの表示があるからといって、それを食べればビタミンが補給できると考えて買ってはいけません。以上の点を考慮しながら、次を読んでいただけたらと思います。

ビタミンB1は合成保存料である

 ビタミンB1は玄米、豚肉、卵黄などに含まれています。白米を主食とする人は気をつけないと不足します。不足すると、脚気(腱反射消失)、浮腫(むくみ)、疲労感、便秘、心臓肥大などの症状が起こります。卵黄にはコレステロールが多いので、食べすぎにはご注意ください。

 よくある梅干しの原材料表示例として、「梅、食塩、しそ、B1」と書いてあるものがあります。「B1」の代わりに「V・B1」と書かれていることがあります。B1とはビタミンB1のことです。チアミンやサイアミンとも呼ばれます。この表示を見ても、危なそうな添加物は入っていません。それどころかビタミンB1の補給にもなる。

 しかし、実はこの梅干しには、合成保存料が添加されています。それがビタミンB1です。これは、食べる人の健康のことを考えて添加しているのではないのです。梅干しは塩分が高いので微生物は増殖しにくいのですが、塩分を少なくするとカビ、酵母菌、細菌などが増殖します。正式な保存料を使用すると、たとえば「保存料(ソルビン酸)」という表示が必要になります。このような表示があれば、賢い消費者は警戒して買いません。

 この梅干しに使用されているのは、ビタミンB1ラウリル硫酸塩という合成化合物です。天然には存在しないものです。天然のビタミンB1には微生物の増殖を抑える作用(抗菌作用)はありません。ビタミンB1ラウリル硫酸塩は、かなり強い抗菌作用を持っているのです。しかも食品を腐敗させる原因となるカビ、酵母菌、細菌(バクテリア)に効果があるのです。しかし、表示は「B1」もしくは「V・B1」だけでよいのです。

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

1945年、岡山県生まれ。九州大大学院農芸化学専攻(栄養化学講座)修了。製薬会社の研究部門ほか、添加物開発の最前線で添加物研究に従事する。研究歴40年以上で、第一人者。現在は、食品会社の顧問、食品販売会社特別顧問(品質管理)に携わる。著書に「悲しき国産食品」「食品業界は今日も、やりたい放題」「食品選び・おとなの知恵 ちょっと高くても、コッチ!」など。

Twitter:@eQuqANeNct8MdU5

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